勢いで撮ったその遺影撮影のしばらく後に
杏理が
わざわざ予約をして
青二才に来た
痩せていて
抗がん剤の影響で頭髪が
減り、ウイッグを着けていたが
杏理は元気だった◎
そうだ
変わっていることなんて
痩せたことや
髪の毛が少し減ったことぐらいだ
あとは
テキーラじゃなくて
ウーロン茶になったことぐらいだ
あと他全ては
なんら変わりない杏理だ
そう思った
思えるようにした
相変わらず
あっけらかんと
病気のことを話す杏理は
サラリと
『来週から、ちょっくらどこかの病院で戦ってくるから』と
言った◎
その日
わざわざ予約をしてきたのは
僕らに
入院の報告をするためだったのだ
僕は
彼女じゃないので
立場が逆の場合にどうかわかんないけれど
杏理=元気
と言うのが定着している彼女だもん
痩せて
ウイッグを着けなければ
表に出れないような状況で
わざわざ青二才まで来てくれたこと
本当に嬉しかった◎
僕なら
家から出来るだけ出たくないと思うかもしれない
2杯程度
時間にしたら30分くらい
ウーロン茶を飲んで
彼女は戦場に旅立っていった
僕らは再びハグをして
杏理を見送った◎
それ以上のことを思いつかなかったし
きっと、それ以上のことは無かったと今でも思う
そこから
杏理は、誰にも
病院の場所などを明かさず
入院した
場所もどこだかわかんない病院の
ベッドの上からmixiの日記だけが
更新されたりもした
お見舞いなんかに来られたら
きっと気を使うだろうし
それ以前に
お見舞いに行きたい!とか
お見舞い行かなきゃ!とか
相手に思わせるのが
おそらく嫌で誰にも場所を明かさなかったのだと思う
一人での入院
きっと心細かったりもしただろうに
『未だ、イケメン発見できず』
などと
相変わらずあっけらかんとしていた◎
。。。。。さらにつづきます