• 2011年12月5日
  • BY 道太

カキフライ

昨日、先日泣きそうになった定食屋へ再び行ってきた◎
https://aonisai.jp/2272/

先日のように、いつも行く定食屋がお休みだった訳ではなく
ただ、なんとなく、行ってみようかな◎

って気になったのだ◎

先日のような時間帯にお店に入ると
先の人がお会計をする所で、店内には
例のおばちゃんと僕一人という状況になった◎

まぁ、急いでいる訳じゃないので
じっくりとメニューを見て、どれにするか考えていたところ

カキフライ定食とボードに書かれているその上から
チラシの裏の白い部分に【生カキ】と書いてある紙が貼ってあり

カキフライ定食となっていた◎

こういう素直なメニューに弱い◎

今日は(もしくはこの時期は)、カキだったのだろう◎

それならその旬を選ばない手は無い◎

『カキフライ定食下さい』

満を持して僕はそう言った◎

と同時ぐらいに
お店の扉が開き
若い人がずらずらっと入ってきたと思ったら

『おばちゃん、6人だけど!』

と◎

カウンターのみのお店は
一気にほぼ満席になった◎

僕も飲食店の端くれ
この状況、すごく大変だ◎

僕のカキフライをやらなきゃいけない

お兄さん方に水出さなきゃいけない

6名分のオーダー取らなきゃいけない

なにより
なんせ、おばちゃん一人しかいない

一人で全部やるのって大変だ◎

さすが、とでも言うのか

手際良くお兄さんたちの水を用意して
手前のお兄さんから奥のお兄さんの順に配り終えると同時に

カウンターの一番奥に歩みを進めたおばちゃんは
そこにあった冷蔵庫から、生カキを取り出し
これまた、すぐその場所で粉や衣を手際よくまぶし
さっと揚げていた◎

が、文字だと伝わりづらいが
カウンター一番奥でカキに衣を付けていると同時に

『注文どうします??』

と◎

おばちゃんのては当然カキに夢中だ

(6人分も覚えられるのおばちゃん!?)
と思ったのもつかの間

若いお兄さん方は

『焼き肉定食、ご飯は少なめにしてもらって、味噌汁を豚汁に変更で!』

『俺は、とんかつ定食!ご飯大盛りで!』

『俺は・・・』

と、怒涛のオーダーが飛び始めた

一方で、先ほど自分から聞いたにもかかわらず
おばちゃんと言えば、僕のカキに衣を付け終えた後、くるりと
お兄さん方に背を向け、油の前に行きそのカキを揚げていった◎

(お兄さんたちのオーダー聞こえてるのかな・・)

(本当に大丈夫なのか・・・)

僕は思っていた◎

そして間違いなく
お兄さんたちも思ってた◎

順番的に4人目にオーダーする人が
『んじゃ、俺も焼き肉定食でイイや』

その言葉『んじゃ』

その一言で流れが変わり

6人が
『んじゃあ、俺も焼き肉で!』

『んじゃ、俺もとんかつやめて焼き肉で!』

結果、あっという間に『焼き肉定食6人前!』と言う
超シンプルなオーダーにまとまった頃

カキフライを油に落とし終わったおばちゃんは再びくるりと振り返り

『みんな焼き肉定食ね』

って◎

これが

イイとか悪いとかそういう次元の話じゃない◎

その場に居た人が
自然と譲歩しあっておばちゃんのペースに包まれた

って言うのかなぁ◎

不思議な一瞬だった◎

その後、僕のカキフライ定食が運ばれ

6人前の焼き肉を2つのフライパンで一気に仕上げたおばちゃんは

一人一人に

『ご飯は??あれ?あなた少な目だっけ??』

優しく聞いて回ってた◎

(背中でも聞こえてたんだ)

お兄さんたちも

『うまいなぁ!』って言いながら
焼き肉定食をほおばっていた◎

結果オーライ

そんな言葉が聞こえてきそうだった◎

そして、僕の生カキフライは

やはり、衣がはがれた笑

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