• 2017年2月27日
  • BY 道太

いい年こいて初の一人海外(7)

バガン

ミャンマーに来る前に日本で聞いた

数少ない「絶対言っておくべき場所」の一つ◎

昔栄えた王朝時代に3000余の仏塔がこのエリアには建てられているとのことで

様々な写真などから、ぜひ行っておきたい場所であった◎

バスが到着したのが朝4時過ぎ

まだあたりは真っ暗で、温かいイメージのミャンマーにおいて

日本から持ってきた上着が必要なぐらいに寒かった◎

こんなに寒いのになぜあのバスはエアコンがガンガン利いていたのだろう・・・

バスを降りると同時に

おっちゃんが話しかけてくる

もうね、分かってる◎

最初に声をかけてくるやつにまともな奴はいない◎

どうせボッタクリであろう◎

こと、観光地である故、そんなことは分かっている◎

ほら「10000チャット」だって◎

そんなにものすごく距離があるわけではないのに

この国の物価を考えたらそれは高すぎでしょ◎

もうどうどうと中級旅行人として、あしらっていた◎

どうにも移動手段が見当たらない◎

バガンの中心部へのバスなども無いみたいだし

タクシーにおいては「20000チャット」とか言い出す始末

値引きしてみようと試みたが

誰も折れない・・

そう、ここにいる観光客は引き返すことも出来ず

行くにも手段が限られる

いわば売り手市場のバスターミナルだったのだ・・・

友達と来てれば、タクシー割り勘で

などとも言えたのだが、いかんせん一人旅・・・

もう、諦めて悔しいけれど

最初に声かけてきたおっちゃんに頼んだ◎

おっちゃんのはサイカーという

自転車の横にサイドカーが付いたような乗り物だ◎

よっこらしょっと

サイドカー部分に腰を据えたら

ちょうど僕のお尻がぴったりサイズだった◎

ミャンマーの人は痩せている

そして、全体的に小柄な人が多い

向こうの人からしたら僕はけっこう

まれにみるほど大きな体の持ち主だ◎

巨漢の日本人を横に乗せ

おっちゃんは自転車をこぎ出す◎

自転車も、日本の街中で乗られているようなものではなく

かなり年季の入った漕ぐたびにギーギーと音が鳴るものだった◎

けっしてスピードは出ない

少しの登坂でものすごくスピードは落ち

おっちゃんの足と手に力が入っていることが素振りで分かる

横を、お金持ちの乗り物である

タクシーがたまにすごい勢いで抜いていく◎

下り坂はおっちゃんの休憩ポイントなのか◎

馬車をも自転車が抜いていく◎

また登坂で馬車に抜かれる◎

おっちゃんは英語が少しだけで来た◎

生まれも育ちもバガンだそうで

片道30分の行程を毎日行き来している

などと話した◎

また登坂だ

おっちゃんの会話が止まる

自転車はひと漕ぎずつ、音を上げる

本当に太っていてゴメン、、と思った◎

30分頑張るおっちゃんを横にサイカーに乗り続けると

意識が変わってくる◎

もう、ちょっとのボッタクリなんかは気にしないようにしよう、と◎

こんなに頑張ってくれている人に

笑顔でありがとうと心から言いたいと思ってしまった◎

おっちゃんは、自転車に乗りながら

僕のと拙い英会話でも、バガンで行くべきところ、楽しみ方をどんどん話してくれる◎

「町に着いたらイーバイク(電動自転車)を借りたらいい、自転車のレンタルなんかもあるけど

アレはダメだ、時間がもったいない、免許もいらないし、楽だし、イーバイクはいいぞ」

「朝日を見るならシュエサンドーパゴダかな、でもバイクをレンタルする店から近いのは

ブレディだな、だから、朝日はブレディ、サンセットはシュエサンドーパゴダがいいかもな」

「もっと時間があったら、ポッパ山にも行ったらいいんだけどな、あそこの景色も結構やばい」

などなど◎

なんだか、ぼったくられてもいい

と思ってからは気が楽になり

このおっちゃんの言葉なんかもスムーズに聞こえる◎

やっぱり、何かの割り切りって大事なんだと再確認◎

レンタルバイク屋に着き、バイクをレンタルするところまで手伝ってくれ(地球の歩き方で見たものより200円ぐらい高いけど、もういい)

コピーしたバガンのマップにおっちゃんおすすめのスポットをマークしてくれ、それをくれた◎

気持ちよく握手しておっちゃんとは別れた◎

さ、イーバイクに乗って

お勧めのブレディという仏塔を目指した◎

バガンは2車線の道路が東西に2本走っている以外は

あとは照明などない、舗装もされていないデコボコ道だ◎

もちろんマップにはそんな脇道など書いていない◎

携帯のグーグルマップを頼りにブレディを目指したのだが

何度も脇道を見落とし、本当にここでいいのか心配になりながら

GPSを頼りに道っぽいところをしばらく進んでいくと

何台かのイーバイクが止まっていて人の声もした◎

やっとたどり着けた◎

色んな国の人々が

真っ暗な中、仏塔に登り、朝日が出てくるのを待っていた◎

僕もそれに倣い

携帯コンパスで東側に陣取った◎

そこから1時間

孤独に朝日を待った◎

静かな朝

徐々に明るくなってきた東の空

いたるところに点在している大小さまざまな仏塔が姿を見せ始める

いよいよ、太陽が顔を出した時

今日も一日が始まるんだ、と実に当たり前のことを思ったのを覚えている◎

バルーンに乗って、日の出を拝むツアーもあるのだそう◎

とても高いけれど、人生で一度ぐらいやってもいいのかな、と思えるぐらい

とても神秘的な光景だった◎

ヤンゴンでは雑多な街の中で異国を感じたけど

ここバガンでは圧倒的な光景に異国を感じざるを得なかった◎

この景色だけでも、ここへ来た価値があるものだと思った◎

太陽って大事なんだと知る◎

自分の登っていた仏塔が正確にはブレディではなかった(手前の仏塔に登ってしまっていた)ことも知る・・

まぁ、いいけど◎

これがブレディ◎

どんどん道も見えるようになり

涼しく静かな朝に、イーバイクに乗ってデコボコ道の砂地に何度か

タイヤを取られながらも、いくつかの寺院を回ってみた◎

ゆっくりとこの後はバガンを見ても良かったのだけど

どうしても、もったいない感じがしてしまい

ポッパ山へのツアーバスにも急きょ申し込み

朝9時には、もう乗り合いタクシーみたいなのに乗っていた◎

そしたら、少し後に

僕の隣に一人の旅行者が乗ってきた◎

日本人っぽい顔をしていた◎

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