失敗から

投稿日:2010年8月20日 道太

その方との出会いは
以前に僕が働いていた九段下のお店でした◎

初めてその九段下のお店に来店されたのは
僕がまだ23歳とかそれくらいだったと思います◎

はっきり言って

とっても癖のある方でした笑

初めてご来店された時に
カウンターに座り、料理長と話しながら

『この魚は好みじゃないわ』

とか

『もうちょっと味は薄目が良いんじゃない』

とか

『タバコの臭いは大嫌いなの!』

とか話しているのを横耳に挟みながら
僕は触らぬ神に祟り無しを貫いていました◎

ところが

当時新米ひよっこの僕に、神の方から
注文が来たのです◎

『何か白ワインをボトルでいただける?』

さらに
『辛口で美味しければいいわ』

まぁ、丸投げってやつです◎

その当時ワインの勉強もしていた僕は
お店にあるワインの中で、料理にも合って
辛口で、価格帯もそんなに高くないものを

選んで、お出ししました◎

そのワインは今でも覚えていますが

カリフォルニアのシャルドネを使った
少し樽の香りもついた、リッチな味わいの
ワインでした◎

冒険はせずに無難に美味しい物を出そうと思い
いつも飲んでいて定評のあるものでした◎

そのお客様の前で緊張しながらコルクを開け
グラスに注ぎ、

そして、お客様が口に含んだ後に
一言

『何このワイン!全然ダメよ。甘いわ』

料理長も店長も居る前で
その一言が放たれたのです。

いつも飲んでいて
辛口だと言うのは十分に知っていたのですが

なぜだか
その一本に限り
ワインの状態がよくなかったのか

普段の味わいとはまったく違う物になっていたのです

23歳のひよっこの僕は
もう、頭が混乱してしまいました。。

よりによってこの癖のあるお客様に
知ったかぶってワインをお出しして挙句に
ワイン選びを失敗してしまった。。。

その後
どうなったか
あんまり詳しく覚えてないのですが

確か
また新しい物を開けた様な気がします◎

僕にとっては
後悔しかないような
大失敗でした。。

ただ、
その方は
またお店に来てくださったのです◎

そして
また、僕に
『白ワインをよろしく』

とオーダーされるのです◎

失敗した僕に◎

毎回
緊張しながらワインを開け

注ぎ

飲んでいただいて

最初の言葉『うん、いいわね』となるまで
いつもずっとずっと緊張の連続でした

失敗しても
また僕の成長を見に(これは勝手な僕の解釈ですが)
お店に来て頂ける◎

次は失敗しないぞ

という意気込みを自然と教えてくださったのは
そのお客様でした◎

昨日は
そのお客様が
○○歳(僕の倍以上です笑)の誕生日をお祝いしに
青二才までわざわざお越しいただきました◎

なんてありがたいんでしょうね◎

いつも
僕の帯を締めなおす感覚に
させてくださる古藤さん

ありがとうございました!!

いつまでもお元気で!!!

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