はじめの二歩

投稿日:2011年5月30日 道太

大学生の頃

学校から近所の友達が
三人でルームシェアしている家があった◎

毎日学校が終わると

バイトへ行ったり

飲みに行ったり

んで、夜になると
その家に週に三日くらいは
遊びに行っていた◎

んで
その家にも当然お酒を持ち込み

『飲もうぜ!』

って
朝まで飲んでいた◎

その時

その家で大流行したこと

『サシ風呂』

普通の大学生の住むワンルームよりは

広いものの、まぁ一般家庭のお風呂

そこに、酔っ払いの男二人で入って

好きな女の子の話をしたり

将来の夢を語り合ったりしていた◎

当時は
温泉旅館の露天風呂

いや、
近所の銭湯に行って湯船に浸かりながら
話している感覚

その狭く、やたらと湿度の高い空間で
することで、

男同士の裸付き合い

をしていた◎

まぁ、イメージすると気持ち悪さしか出てこないと思うが笑

もちろんそこには何かあるわけじゃなく

バカな男同士が

飲んでいる最中に

閃いた、純粋な一興だ◎

思いつきで始まったサシ風呂は

その家に遊びに来る友人達の間に

見る見る広まり

時には、サシ風呂ではなく

連れ風呂に連れ風呂が重なり

4人ぐらいが一つの浴槽にひしめき合う

と言う

もうね、肌と肌が触れる

とかそんなレベルじゃなく

浴槽に入りきれてないヤツが

縁に座るため

目線の先15cmぐらいには

見たくも無いような酷い光景が展開されていた笑

今思えば、地獄絵図だ◎

そのサシ風呂は

ただでさえ単純な
男たちをやたらと熱くさせてしまう◎

普段、呑んでいる席では
話せないようなことまで

いとも簡単に相談できたり
語り合えたりしてしまうのだ◎

そう、語り合うために、毎日サシ風呂に

いや、その手前だから
その家に呑みに

行っていたのかもしれない◎

その当時、話していたこと

ほとんどは忘れてしまったが

一つだけ、強烈に覚えていることがある◎

『俺ら将来、みんなでビル建てようぜ』

ってことだ◎

酔っている人間のイメージは加速する

当時から飲食独立を目指していた僕だったので
『いいねぇ!なら、一階は道太の店だな』

他のメンバーにも当てはめて
『二階はあいつの事務所入れようぜ、三階は俺が会社入れるから』

いくつか小さいながらもイベントをしてきたので
『地下は皆で遊べるクラブ作ろう』

そして、最たるものは
『屋上はビアガーデンにしよう!』

『イイねぇ!』

妄想はタダだ◎

サシ風呂もタダだ◎

妄想の中で持った一つの箱(ビル)の中に

みんなそれぞれが自分の武器を持ち込んで

色を出していく◎

『俺はその箱作りに、こういう形で協力できる』

っていうスタンス◎

みんながそれぞれ、少しずつ力を持ち寄って
一つの箱にするイメージ◎

学生時代に会った僕ら

社会に出て、一旦はそれぞれの道を歩むけれど

その後また立派になって合流する、その場所を

心の中で持ち続けよう

と言うことだったのかもしれない◎

立派になる

その言葉はものすごく漠然としているけれど

今でも僕はその時イメージした立派と言うものをどこかで目指している◎

サシ風呂を出て
さらに語り合い、

空想は肥大する

『俺らみんなで本業とは別に
そこのビル運営のための会社やろうよ◎』

『男ばっかりだから、(男株式会社)だな』

『いや、それはさすがに濃すぎるから男は(ダン)って呼んで
DANコーポレーションにしよう』

って◎

『イイねぇ!』

『DANって【男】でもあり【談】でもあり【暖】でもあり
【団】でもあり【弾】でもあるしな』

なんていう風に色々こじつけたりした物の

結局は、ノリと閃きでしかないものだった◎

昨日、お店に呑みにやって来た

そのときのメンバーが

ふいに

『道太これ』

と言ってニヤニヤしながら一枚のカードを僕に手渡した

そのカードには

彼の名前が書いてあり

その右側に住所と電話番号

そして、住所の上に

【DAN Corporation   ダン株式会社】

と記してあった

『会社作っちゃった』

って◎

本当は三月の中旬に登記するはずだったらしいのだが

僕の結婚式が震災の影響を受け延期になったことを知り

『なら、俺が記念日にしてやる』などとカッコいいことを言って

結婚式予定日だった4月1日に株式会社登記したらしい◎

まだまだ、本当にまだまだ

駆け出しすぎて、googleで検索しても

何も出てこないくらいの

僕らの夢

彼の会社

うまく行くかなんて分からない

でも、進みださなきゃ、うまく行くはずもない

夢は夢のままで終わり

時は流れ

自然に箱は現れない

誰かに夢を話し、それを共有した場合、その時点で

すでに一歩目だ

二歩目を踏み出す勇気

僕らの夢はまだ続いているみたい◎

お互い頑張ろうね◎

いつか最高のビールを

屋上のビアガーデンで!!

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