富山前篇

投稿日:2016年3月28日 道太
阿部ちゃんの蔵を出て、電車に乗りこみ乗り換え待ちも含めて2時間半
長い長い新潟県を出て富山県に入ってすぐの駅に僕らは降りた◎
一昨年、うちに入ってきた(林)というお酒を飲んで
是非会ってみたい!と思った林酒造の林さんに会うためだ◎
林というお酒、ラベルには堂々と力強い「林」の一文字◎
この字のようにごっつい人なのかなと思いきや
案内してくれたのはものすごく穏やかな林さん◎
先入観で決めるの良くないね◎
創業400年ほどという日本でも有数の歴史ある蔵元さんゆえに
蔵の部屋の梁とか、今では手に入らないであろうもの凄い太さだったり
シーンと張りつめた独特の空気感、やっぱり古くからある蔵元さんなんだな
と実感◎
しかしながら歴史、伝統がある=(イコール)売れ続ける
訳ではなく、今の時代、どんな蔵元さんでもおそらく一度は
今後についての転換期を迎えている方が多いと思う◎
林さんもしかりで
やはり放っておけばどんどんお酒は売れなくなり
先細りの将来になる事は必至だったのだと思う
蔵の伝統を守りながらも、蔵を存続させるために
もう一度一から見直す客観的な革命も起こさねばならないわけで
そういった時にやはり今までの歴史や伝統が
きっと林さんの方には重くのしかかってきたのだと思う◎
優しい口調ながらに一つ一つ、実際にやっていこうという決意のようなものを感じました◎
林さんのお酒は、純米酒から大吟醸まですべての作りを
大吟醸スペックにという目的の元
麹を作る際に、細かく分けて管理する蓋麹という手法で作られていた◎
(普通はとても面倒なので全部の麹を、こんなに細かく分けない)
次への目的地まで車で送って下さる途中
岐阜猿2匹は海を見るとテンションが上がるという話をしながら
近くにある翡翠海岸というところに連れて行って下さった◎
上がるテンション、夏の海ではなく冬の雪と海ってのも良いなぁ、なんて思いながら
さっき見た蔵を思い出す◎
「面倒ですけどね、自分がやるだけやって上手くいかないなら納得できますが
手を抜いたな、と思いながら上手く出来ないのはどうしても納得できない」
そんなことを仰っているのだと感じました◎
もうね、どの蔵元さんに行っても
皆さん本当に真面目に、真剣に日本酒というものに向き合っておられて
こちらも気が引き締まります◎
夜、一軒目は林さんも一緒に
泊(とまり)にある蕎麦の「くちいわ」さんへ◎
ご夫婦でされているお店なのだが
東京出身の奥様(あさみさん)が一度中野のお店に寄って下さったことがあるのだ◎
更にその際に、僕らはそんな印象はないのだけども
うちのお店に来た時点でけっこう酔っていたらしく、たくさん飲めずにごめんなさい!
と、丁寧に手紙まで頂いたのだ◎
自分も見習わなきゃ、と思いながらも中々できずにいるのに
こう言う事をちゃんと出来る人、またとてもストイックに蕎麦を愛しているというお話の
ご主人にもどうしても会いたかったのだ◎
口数は多くないけれど、真面目で愚直、お酒強くないのに顔を真っ赤にして付き合ってくれた林さん
一見強面だけど、蕎麦愛が半端なく話してみるととても優しい口岩さん
そしてイメージ通り、以前も今も人を惹きつける、あさみさん
今度は是非、泊りでお邪魔しに来ます◎飲み明かしましょう◎
この日この夜も僕と神谷は案の定、しっかり飲んで、次の駅へと向かうのでした◎

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