いい年こいて初の一人海外(4)

投稿日:2017年2月21日 道太

さっき焼肉屋で飲んだお酒のおかげで

変なテンションになっていた僕は

機内で宮沢りえ主演の映画を見ながら

ボロボロ泣いた

かと思えば

前日の仕事の疲れから

眠りに落ちた

かと思えば

一人海外が始まってしまった、と思い

変な緊張感からまた目を覚まし

繰り返した◎

途中タイのバンコクでトランジットがあり

そこで間違えて出国手続きの列に並んでしまった◎

たまたま近くにいた日本人に話しかけ間違いに気が付き

海外での初失敗を体験した僕は

今思えば、平静を装っているものの

ミャンマーの空港に着いたときなんかは得も言われぬ不安に覆われていた気がする◎

空港で入国手続きをして

いよいよ、ゲートの外へ◎

むわっとした温度湿度と

なんだかすでに独特の匂いが

異国に来たのだと思い知らせていた◎

11時に日本を出て着いたミャンマーはすでに夜の8時だった

とりあえず、何かの交通手段をもって一泊目のドミトリーにたどり着かねば◎

日本にいたころの僕は「ぜんぜん余裕でしょ、とりあえず一泊目だけ安宿取って、あとは現地でノリで決める」

なんて言っていたのだが

(いかん、日本の十分なネット環境下で、もっと計画を練ってからくるべきだった)

とすでに思っていた◎

空港の外に出てタクシーでも・・・

と一歩出た瞬間

「ヘイ!タクシー??」

いかにも怪しそうな、そしてちょっと悪そうなオヤジが話しかけてきた◎

まだ心の準備ができていなかった僕は

こんな怪しいオヤジのタクシーは嫌だ、と思っていたものの

断る術もなく、僕のバイブル『地球の歩き方ミャンマー編』に挟んでおいた

一泊目のドミトリーの情報が載った紙をオヤジに渡した◎

「ンーーーー」

オヤジ、どうやら英語が読めないらしい

(そうか、観光用の英語を話すことはできるけど、文字を読んで理解するとかはできないのか・・・大変だ・・・)

唯一のコミュニケーション手段であると思われた英語、と言うものが

いきなり「そんなの使えないぜ!使えるわけないじゃん!」と言われたような気がした

すると、どこからかオヤジがぞろぞろと増え

僕の渡した紙を見てあーだこーだと言っている

5人ぐらいで散々見た後

「#&%#★◎◇▼チャッ!」と僕に何かを言ってきた

地球の歩き方で見たわずかな情報の中にそういえばあった◎

チャットと言うのは現地の通貨単位だ

そして、ミャンマーではタクシーは乗る前に目的地を伝え、そうすると運転手がそこまでの値段を言う、というシステムなのだ◎

という事は、何を言っているのかわからない部分はきっと値段を言っているのであろう

ただ、なんて言っているのか分からず、もたもたしていると

オヤジ、おもむろにスマホを出し電卓機能を使い

数字を表示させた

15000

そう表示されていた

ミャンマーでのチャットは日本の10分の1ぐらいの感覚で良かったので

つまり1500円ぐらいだ

ミャンマーの物価がどんなものかは知らないけれど

その数字を見て、まわりのタクシードライバーと思われる

他のオヤジたちも、うんうんと頷いている

怪しい、本当に怪しい

だけど、僕には断る方法もわからなかったし

まして交渉なんてできない

さらに、タクシー以外の交通手段はさらに分からない

本当に大丈夫か、と不安たっぷりだったけれど

了承し「OK」と心細げに僕は言った

オヤジはカモンと言い、薄暗い方に僕を連れて行った

そして、止めてある車に「乗れ」と言っている

一応、車の上には(TAXI)とあるのを見て少しだけ

ほんの少しだけ安心した◎

車はもう、暴走状態だった

日本ではありえない方向から

クラクションを鳴らしまくりどんどん抜き去る

オヤジにミャンマー語で話しかけられないように

もう一度、車内でバイブルを読みふける

すると、空港から僕の泊ることになっているダウンタウン(ミャンマー最大の都市ヤンゴンの繁華街)まで

タクシー利用の場合はだいたい7~8000チャットです。と書いてあった

やっぱりか

とりあえず、まず最初にボッタくられた・・・

ま、1500円、1500円、、差額はたったの800円、800円、、、

と自分に言い聞かせていた

まぁ、そうだよね

顔立ち日本人

リュックにショルダーバッグ、そして手には地球の歩き方

オヤジたちにしたらネギ背負ってる鴨みたいなもんだ

でも、こんなに最初からボッタクリなんて・・・

ミャンマー人は誠実で真面目で親日です

嘘じゃん!地球の歩き方さんよ!

もやもやしたまま、タクシーはダウンタウンに到着し

20000チャットを渡した

オヤジがミャンマー語で何か言っているが、分からない

もしかしたらやっぱり20000だ、と言い出しているのかとも思った

また電卓を出して来たらきっとそうだ

でも、すでに高めに取られてるんだからここは折れちゃいけない!

絶対に負けさせない、そう心に決めていた◎

オヤジはまた何かを言っていた

すると

車外にオヤジが出ていき、その辺にいる別のミャンマー人に話しかけていた

オヤジはどうやらお釣りを持っていなかったらしい

どこかで両替をしてきたオヤジは無事に僕にお釣りを渡した

それでも15000かー。。。

日本円にするとアレだが、15000という単位がすでに大きい気がして、、なんだかなぁー。。。

やっぱり悶々としたまま僕は車を降り、ドミトリーにチェックインした◎

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