ものすごく悩んだ結果、1月21日からのまん延防止等重点措置期間レンガ坂の
「中野青二才」と中野北口の「角打ち割烹三才」においては20時までのお酒提供、閉店21時。
「青二才はなれ」「阿佐ヶ谷青二才」は休業とさせていただくこととなりました。
オミクロン株の重症化率の低さや、感染ルートの多様化など、飲食店がいよいよ要請に従う
必要があるのかどうかとずっと考えていました。様々な情報が入り乱れる中でどれが本質なのか見極めたく独自に、
身の回りの医療従事の方へヒアリングなどもしてきました。
「政治と宗教とプロ野球の話だけは飲み屋でするんじゃねえよ!」
ってのは昔誰かに聞いた言葉で僕も普段はそんなに話すこともしないのですが、
誰かに加担したり否定したりはしないので今日はちょっとだけ、、ね。
今回のような行政の要請に従うだけというのが僕たちの取るべき姿ではなく、
そもそもきっと政治って世間の意見を拾い上げてどの方法が一番最善なのかを議論し行っていただくのが
原点だと思うのです。つまり、町場や世間の意見がまず最初にありき、その上でルールを
作ろうというものだと思うのです。
ですが今は、誰がどのようにこのような要請を求めているのでしょう。
もちろんその要請の矢面に立っている飲食人の立場だからこそそんな風に感じているのかもしれません。
世間様は飲食店に対する規制が増えたところでそんなことはどうでもいいのかもしれません。
ですが勝手ながら、こちらの仕事は社会のインフラの一部だと思っています。
自分たちだけのことを考えて通常通りの営業をさせてほしいとかではなく、
インフラの一部としての責務のようなものまで感じているのです。
まずは選挙に行って投票すべし!ということだけでなく、私たちは飲食人として考え行動し、
態度を見せることで政治に参加するという手段もあり得るのではないかと思いました。
重症化率がほぼゼロのような状態であったり、医療をひっ迫して亡くなる方が
増えたりしているわけではなかったり、飲食業の大変さを理解してもらうためにも
背に腹は代えられない状況である今、(要請は無視して自分たちなりの感染対策は取りながら
営業は通常通り続けよう)ということも考えていました。
もちろん法を犯すつもりもないし守らなければいけないものは守る中での話です。
黙っていてもきっと何も変わることはない、それどころか態度を示さないとこちらの意見は届く可能性もない、と。
静かに要請に従えば協力金と引き換えにこちらの発言権も引き渡すことと変わりない。とも思ったりしました。
ですので、そもそも要請や協力金などの内容が決まったのもギリギリでしたが、
今回ばかりはこの意思決定までに相当考えを巡らせざるを得ませんでした。
やってしまおう!と思っていたのですから。
直前になってしまいご予約お断りの電話をするのも辛いものです。
しかしながら今回も青二才は要請に従いながら、範囲内での営業とさせていただくこととしました。
風邪のような症状や無症状の方が多いながらも感染者数が爆増しているということは
オミクロン株はそれだけ感染しやすいことはもう誰から見ても明白です。
軽症、無症状であったとしても異常な増え方です。風邪だとしても、命に別状はないものだとしても、
そのような罹患の可能性のあるお店で飲食したいかどうか。
過度に騒ぎすぎたり、敏感になりすぎる必要は全く感じていません。
しかしながら極論ですがトイレ掃除をずっとしていないお店に行きたくないと
感じるようなものであると思ったりもします。僕自身がそういうところに行きたくないというよりも、
青二才をそういうお店にしたくなくてずっとやってきました。
21時を越えたらウイルスが活動しなくなるわけでもないのですが、目に見えないウイルスを、
必然的に取り込んでしまいやすい状態であるうちは要請の範囲内での営業とさせていただくこととしました。
悔しいですが。
死ぬわけじゃないから、全然いいじゃん!と言うのは本人は良いと思うのです、自己責任だし。
でも、会社やお店の長という立場で事態を把握したうえで要請を無視してスタッフに対しては言えませんでした。
「営業続けていればいつかは感染して熱が出るかもしれないけどいいよな!出てくれ!」
とは。
青二才のスタッフはこんな時でも「やれるなら営業させてください!」と言ってくれるメンバーばかりです。
コロナが始まって以来、いつだって営業したくてしたくて、お客様を迎え入れたくてしょうがない
メンバーばかりです。最初のころは未知のウイルスで命の危険があったりしたので当然ですが、
今ではこんな風邪のようなものになっていてもやはり僕がストップをかけてしまいました。
青二才で堂々と働いてもらうために、「まだ、今じゃない」と判断したからです。
飲食業はこれから大変です。売上が減った!とか、客数が減った!とかではなく、
働いてくれる人がこのままだと居なくなってしまいます。コロナや災害に弱かったり、不況や、
原料高などの不安要素がたくさんあり、それがすぐに雇用に影響してしまう業界だとバレてしまったのです。
誰がそんな業界で働きたいと思うのだろう。
でも、馬鹿みたいにスタッフのことを考えている奴もいるのです。きっと僕もその一人です。
僕はスタッフを守るのに必死です。
売り上げが減ったからと青二才はコロナ下でも誰も会社都合で辞めさせていません。
今後のことも考えて、単純な店舗型飲食ではない業態にもチャレンジしています。
来年の今頃には仕事をする時間を朝から深夜まで選ぶことができるようにしていくつもりでもいます。
全ては大好きな飲食業をスタッフたちと堂々とやっていきたいからです。
そしてやっぱり僕が小さな頃に見た【お客さんと楽しそうに話しながら仕事をするカッコいい父親】のように
楽しく魅力的な飲食業を取り戻すためにこれからも小さな判断、大きな判断を重ねていくつもりでいます。
ただ時短要請に従って営業時間を変更しただけ、と思われたくないほどに悩んだ今回だったので
自分のためにここに記しておきます。
なんだか真面目に書きましたが、今日からしばらくの間は早い時間に来てくださいね!ってことです◎
そして、お酒提供の禁止が再び来ないことを祈ってます!