2年前
とある普通の営業日
けっこうお店が混んでいて
それと同時に発生するトイレ待ち渋滞◎
運命の出会いなんてそこらじゅうに落ちている◎
そこで二人は出会った◎
先にトイレに並んでいたミッシーに
『あ、綾子先でいいよ』
と譲られ、トイレに入ろうとした時
『おいちょっと待てやー』
と、先に列に並んでいたもう一人の男がそれを制した◎
それがタツだ◎
女性に順番を譲る紳士ミッシーの行為を見ていなかったのかのように
タツは綾子に順番を譲ることなく、先にトイレに入り用を済ませた◎
(小っちゃい男やなー)
などと、思う暇も無く僕らの妹、綾子は
タツに魅かれていき
それと同時に、タツも出会ったその日以来、綾子と話すようになり
惹かれあっていったのだった◎
今まで何度も綾子の恋愛話を聞いたことがあるが
そのどれよりも、目をキラキラ輝かせていた◎
出会ってからしばらく経った頃
二人は付き合うようになった◎
二人とも阿佐ヶ谷には住んでいないのにわざわざ
二人して青二才に来てくれるようになり
まぁ、いつものようにタツはでっかいグラスでビールを豪快に飲み
綾子も昔に比べれば相当お酒も飲めるようになった◎
12月25日
いつものように二人で来て
いつものように席に座り
いつものように仕事着のコートをハンガーに掛け
いつものようにでっかいグラスのビールと梅酒ソーダで乾杯をしていた◎
お店に来て小一時間が経った頃
タツが僕と神谷に手招きをした◎
近寄っていった僕らがタツの前に立つと同時に
『僕ら来月結婚します』
と◎
もうね、こんなに嬉しい報告、他にないよ◎
大好きな綾子と大好きなタツ
二人がこの場所で出会って、ついに家族になるというのだ◎
タツも綾子なら大丈夫だし
綾子もタツなら大丈夫なのだ◎
大丈夫って言うか、じゃなきゃダメなんだろうな◎
本人たちもそうだが
僕だって、綾子にはタツじゃないと嫌だ
タツには綾子じゃないと嫌だ◎
二人と握手をして
シャンパンで乾杯して
帰る時にはハグをして
今しみじみと、二階のバックルームで
ついさっきの事と、これまでの長い時間の事一つ一つを
思い出しながら日記を書いている◎
どうしても顔はニヤついてしまう◎
思い出せば思い出すほどに
楽しい事が出てくる、
これからの事を思えば思うほどに
ワクワクしてくる◎
二人に出会えてよかった◎
二人の人生に触れさせてもらうことで
こんなにもこちらが幸せにさせてもらっている◎
本当にありがとう◎
そして本当におめでとう◎
あ、そうそう
シャンパンで乾杯した後
普通の業務に戻り、仕事をしていたら
『えーマジでー!!!!』
と言う綾子の大きな声が聞こえた◎
近づいていって
『どうした!!?』
と聞くと
『とんでもないクリスマスプレゼントもらってしまった』
と綾子
『なになに??何もらったん??』
と僕、
するとタツが再び改まって
『えー私、来年の秋から
北京に数年行くことになりました』
!
驚く僕らをよそに
綾子は目を潤ませながらケラケラ笑っている◎
『ゥオーシーリーベンレン』
なんて言いながら◎
良いプレゼントかどうかは分からないが
まぁ、普通の人にとっては
落ち込んだりするかもしれないぐらいの事に対し
『あーびっくりした!私も中国語勉強せんとなー』
と
笑い飛ばしていた◎
相変わらず肝が座ってんなー綾子◎
素敵な奥さんになるよ◎
北京は飛行機で三時間らしい◎
僕にとっても
来年の秋には北京にも別荘が出来るんだ笑
そう思えたら、僕も寂しいなんて言ってられず楽しい◎
これからも二人の人生に触れさせて頂きます◎
ま、近々
ちゃんと、みんな呼んでお祝いしようね!!