- 2008年8月30日
- BY 道太
勝沼醸造 甲州樽醗酵
昨日の日記で書いていたら
話がずれ過ぎそうだったので、今日、このワインいついて書かせてもらいます◎
僕がこのワインと出会ったのは、まだ九段の店で働いている時代
おそらく5年くらい前だったと思います◎
かの店のお客様でフランスワインやカリフォルニアワインに造詣が深い人がいて
まだまだワインの勉強を始めたばかりの僕に
ご予約の電話で
『日本の甲州(と言うブドウの品種)を使った最高に美味しいワインが飲みたい』
と、リクエストされたのです◎
そのお客様のために、その電話以降
知識がほとんど無かった僕は色々な方に相談し
とある、酒屋さんにも聞いたところ
『それなら勝沼醸造さんの甲州樽醗酵が間違いないよ』
と教えられ、リクエストされたお客様にお出ししたところ
ものすごく感動され、
『こんなに味わい深い甲州種のワインは飲んだためしがない!!
紹介してくれてありがとう◎良かったら君も一緒に一杯飲んでみるか??』
といただいたのが最初でした◎
一口飲んで、他の日本の甲州種ワインとはまったく別物だ!
と未熟な僕でも感じたのを今でも覚えています◎
それまではワインなんてほとんど飲まなかったのですが
それ以降、何か一つ面白さを知ってしまったかのように、色々飲み始めたのです◎
まぁ、ワインを飲み始めることになったきっかけの一本ですね◎
そして、やはり、他の日本の白ワインとは一線を画すため
どうしても、そのワインを造っている人やワイナリーに興味が出てきてしまいました◎
その当時働いていたお店の店長が
お酒の色んな方面のコネクションがある方で
その人の一言
『道太、勝沼醸造行って勉強がてら手伝って来いよ◎』
と◎
それから、店長伝いで連絡を取っていただいて
ちょうど収穫の時期、9月末か10月ごろだったと思います◎
勝沼醸造さんに行きました◎
向こうでは、道具を貸してもらったり、迎えに来てもらったり
ホテルまで取っていただいたり、飲みに行ったりと楽しくおもてなしを受けさせていただいたのですが
一番、勉強になったというか感動したこと
ここからちょっとだけ専門的になります◎
一般的にワインに適しているブドウ
まぁ、有名なのは白で言えば『シャルドネ』や『リースリング』や『ソーヴィニヨンブラン』
と言われているものたちです◎
これらは普通の食用ブドウ『マスカット』などに比べて
非常に粒が小さいのです◎
勝沼醸造さんの畑にも生っていたので、一粒摘んで食べてみたところ
とにかくものすごく甘い!!
小さい割りに種がけっこう幅を利かせていて、食べづらいのですが
その果汁は驚くほど糖分を含んでいるのです◎
マスカットなどが含んでいる糖分をその小さな粒にギュッと凝縮したような感じです◎
ワインをはじめ、日本酒や焼酎も
アルコールと言うのは、酵母と呼ばれる微生物が糖分を食べたときに
生まれるものなのです◎
なので、糖分をふんだんに含むそのシャルドネのような品種は
ものすごくワイン(アルコール)造りに適しているのです◎
しっかりとアルコールがそのものから発生することによって
骨太のワインとなるのですが
いかんせん、我が国の古来品種である『甲州』
大きさはマスカットくらいで、甘みと言うより酸味が多かったような気が、、
でもですね
この勝沼醸造の有賀社長は
『どうしても日本由来の品種(甲州)で世界に誇れるワインを作りたい!!』
と◎
でも、普通に甲州を使っているだけでは
糖分の含有率が少ないため、アルコールが十分に生まれず
補糖(砂糖を足して糖分をあげること)をせざるを得ず
どうしても味が淡白なワインになりがちです◎
そこで、有賀さんは考えに考えました◎
甲州種の負い目である低い糖度、、、
甲州の糖度を上げるには、、、
甲州の糖度を上げるには、、、
甲州の糖度を上げるには、、、
そこで出たのが、
冷凍凝縮と言う方法です◎
高校時代の休日の部活にポカリスエットを家から凍らせて
持って行って、解けたところから飲んでみると
『甘いっ!!!!!!!!』
ていう経験無いですか???
それです◎
甲州の果汁を一回凍らせて
補糖することなく欧州品種(シャルドネなど)くらいまで糖度をあげることに成功したのです◎
そして、リリースされたのが
今回紹介する『甲州樽醗酵』と言う名を冠した純日本産の白ワインです◎
そしてこのワインはヨーロッパの大きなワインコンクールでも
他のヨーロッパ品種によるヨーロッパのワインを抑えて
メダルを取るまでになりました◎
いやですね、僕、何に感動したのかと言うと
その味ももちろんですが、
日本のものを使って、世界に太刀打ちしようとして
それでもどうしても、世界基準との間には本来持つスペックで格差があって
それにくじけず、『さて、どうするか??』と悩んだとき
考えて、努力と工夫をすることで
世界に対等、またはそれ以上なものを生み出す
ことが出来たということです◎
日本のすごいところってそこにあると思うのです◎
豊富な資源も無いのに、経済成長して経済大国にのし上がった昭和や
体つきやパワーでは明らかに劣る、のに、チーム戦略や
柔よく剛を制す、みたいな精神でオリンピックでもメダルを取れたり◎
僕らには何も無いよー
でも、無いからってあきらめたりしなくて
考えて考えて、無いところから何かを生み出す工夫をするんだよー
創意工夫が僕らにとって唯一で最大の武器なんだよ◎
ここ青二才もそんなもんです◎
僕も神谷も、ものすごく突出した経験があるわけでもなく
すごく駅から近いなどといった地の利があるわけでもなく
ふんだんな資金力があるわけでもなく、ゴージャスなお店のわけもなく
でも、なんとかしてその負い目に負けず
一流になってやろう!!!と、日々考え、悩み、新しいものを生み出すタイミングを見計らい
営業しています◎
なんか、そういうのって
すごく素敵だなぁと思ってしまうのです◎
この店と比べるのは申し訳なさすぎるんですが
そんな、僕らと被るのがこの甲州樽醗酵なんです◎
青二祭の日はぜひぜひ飲んでみて下さい◎
美味しいですよー◎
そして、いつか、だれか、みなさん一緒に勝沼行きましょう◎
きっともっと美味しくなること請け合いです◎
さて、今日は長文失礼しました◎