遠距離
11月の頭ごろ
青二才にいつも来てくれているY君が
『来週、うちの彼女が東京に遊びに来るから連れてくるよ』
と◎
僕は、ふと思った
あれ?
本当に彼女居たんだ◎
と◎
彼が
青二才に来るようになって2年以上◎
彼曰く
『最初に来た時は彼女と一緒だった◎』
が、それ以降、一度も来たことが無く
僕もその姿さえも覚えてないほどだったのだ◎
遠距離恋愛をしてる
とは言っているものの
僕自身、かつて一度それで別れてしまったこともあるし
なんせ、いつも男一人でやってくるY君
失礼ながら、その彼女はバーチャルなんじゃないか
なんていう疑惑や
女の子に全くフラフラしない、一見、実直な彼の裏側を勝手に予測し
失礼ながら、実は男が好きなんじゃないか、なんてことが
頭をよぎったりもした笑
そんな彼が
いよいよ二年以上の時を経て
彼女を青二才に連れてくる
と言うのだ◎
今まで、疑ってたわけじゃないんだけど
なんか、ゴメン、、、と思った◎
実際、その週の週末
彼が彼女を連れてきた◎
彼も忙しいし
彼女も住んでいる姫路から東京までなかなか
出ても来れないし
久しぶりの再会だったと思う◎
先にも書いたけど実直で優しいY君は
表裏無く本当にそのままの、実にいい男だ◎
そして彼女も、そんなY君にピッタリとしか
言いようが無いほどに真っ直ぐな子だった◎
会えないときは
半年とかも余裕で時間が経過してそうな二人◎
それでも、大丈夫なんだな
そんな恋愛もあるんだな◎
と思った◎
Y君は、お酒をよく呑むものの
彼女はほとんど飲まず、青二才と言う
この場は、最初きっと
彼の好きな場所だから、私も好き
と言う感じだったと思う◎
彼女だけだったら
間違いなく、この店の
扉を開けることは無かっただろう
と◎
でも結果
Y君に連れてこられて
入り口から足を踏み入れてしまい
彼女が東京に滞在した10日間くらいの間
ちょくちょく姿を見た◎
Y君といるからこそ
普段は行けないような
場所にも行ける、というのを
楽しんでいるようにも見えた◎
きっとY君にとって
逆も然りなんだな、と◎
それだけでも
すごく良い二人だと思った◎
そして
彼女が東京から
姫路に帰る日がきた◎
開店してすぐの時間に
大きなバッグを台車に乗っけて
彼女が一人でやってきた◎
まだ、Y君は仕事をしている時間のはずだ◎
このあとの新幹線に乗って帰るということらしい◎
『お世話になったので、ご挨拶を、
またこっちに来た時はお邪魔します』と◎
10日間のうちに
よく飲んでいたノンアルコールのドリンクを出した◎
そして、彼女がお会計を済まし帰るときに
『一つお願いしても良いですか?』と
僕に話を持ちかけられた◎
聞いてみると
12月7日がY君の誕生日らしい
でも、その時彼女は
東京には居ないので
代わりにプレゼントを渡して欲しい
と◎
僕にとって12月なんて
まだ、半月以上も先のことだった
でも、彼女にとっては
僕らに、毎日、起きれば明日が来るような感覚で
次は12月7日の誕生日だ
ってことだったのだろう◎
上品な布にくるまれた小さなプレゼントを僕はしっかり預かった◎
そして
『きっと、その日、青二才に飲みに来ると思うので
これでご馳走してあげてください』と
綺麗な封筒に入ったお金をいただいた◎
彼女は姫路に帰り
12月7日は、あっという間にやってきた◎
そして、遅い時間に
彼はやってきて、僕らは
彼女の言ったとおりに
彼が一番喜びそうなお酒と料理を
『彼女からだよ』と言って出した◎
まさかの、展開に
彼はしばらく驚いていたが
『さすがだなぁ』と何回も言っていた◎
そして、ひととおりサプライズが済んだ
帰り際、彼女からの小さなプレゼントを渡した◎
再びビックリした彼は
感極まりながら、そのプレゼントを包んでいた布を見て
『あぁ、分かってるなぁ』と
二人とも、共通の好きな物として
日本手ぬぐいが好きなんだそうな◎
包んであったそれは、二人ともが大好きな
日本手ぬぐい◎
中に入っていたのは
立派なボールペン◎
『あぁ、もしかしたら俺がペンが壊れちゃったって
前に一言漏らしたからかなぁ、分かられちゃってるなぁ』と
本当に
真っ直ぐ喜ぶ彼を見て
すっごくこちらも幸せになってしまったのです◎
想いは距離や壁を越えるんだね◎
彼から溢れる幸せをいただいたので
今日はそのおすそ分け日記でした◎