よく頑張った

本人の許可を得て書いてますので
多少、突拍子も無く、普段の表現からしたら
不適切なこともありますがお許し下さい◎

先日

青二才の常連である
ある女の子がお店に来てくれた◎

杏理(アンリ)◎

実は
三ヵ月ちょっと前に彼女の体に
異変が起こった。

仕事中に
血を吐いて倒れたのだ。

もともと、夜更かしばかりで
阿佐ヶ谷の飲み屋を渡り歩いては

朝まで飲んだりしていたりもした◎

当然のごとく
青二才でも、杏理が来たら
自動的にテキーラを用意してたりもした◎

とにかく元気で
よく笑い

そして
同じ飲食業界で働いていたりもしたので

いろんなことによく気がつく子だった◎

『さすが、青二才のトイレはいつ行っても綺麗だね◎』

とか

『あ、今立て込んでるでしょ、私のオーダー後回しで良いから
他を先行ってあげて』

とか

そんな言葉の一つ一つに
青二才のことが好きなんだなー

って思い

僕らも杏理の言葉に嬉しくなったりして
一人の人間として好きでいた◎

だが、それは
僕にしたら突然やってきた

『私、癌になっちゃった◎テヘッ♪』

みたいな日記をサラッとmixiで書き上げていたのだ

『テヘッ♪』じゃねえよ!

まったく聞いてないし!

ついこの間まで普通に飲みに来てたのに

なんだよ!?
癌って!!!

だって、まだ、25とか26とかそんな年齢だよ!

あの元気な杏理が癌って!

認めない

そんなの絶対認めない!

思いながらも

認めちゃっている本人の言葉を前に

何も言えなかった

そんな知らせを一斉報道した数日後の
3月のある日、杏理がお店にやってきた◎

僕は

杏理を見るやいなや

『アンリー!』って言って
お店に入ってくるのと同時に

ハグした◎

もうね

こんなこと言っちゃあいけないんだろうけど

お店のことが
どうでもよくなっていた

元気そうにしていても
杏理にはどこかやっぱり不安のようなものが垣間見えた

僕ですら
気付くぐらいだから

本人はやっぱり
不安で不安でしょうがなかったんだろう

と思う。

しばらく
杏理と話した後に

僕は

何を思ったか

青二才の二階からカメラを持ち出してきて

他のスタッフに『ちょっとお店見といて』と言った後に

杏理にこう言った

『よし、今から遺影を撮りに行こう』

お店を出て

杏理と、その付き添いで来ていた
杏理の親友、ユカコと三人で

裏の方にある
工事現場に行った◎

桜が咲いていた◎

覚えたての
暗闇撮影モードで

数枚写真を撮った◎

『遺影ってなんだよそれー!』

って杏理やユカコに言われながらも

三人とも笑いながら
写真を撮った◎

僕は何か
願掛けみたいな気持ちだったんだと思う◎

癌だけに(。。。。苦笑)

でも、この遺影を撮る
行為自体を笑い飛ばせるように

癌なんてやつも

吹き笑い飛ばせば良いと
思っていた

何枚か撮って

拙い僕の技術ながらも

すごく良い写真が撮れた◎

。。。つづく

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