博多路最終章

けっこう飲んでいたのに

神谷と自然と

『もう一軒飲みに行こう』と
意見がまとまった◎

繁華街で降りた僕らは
ガラガラとカート付きの荷物を転がしながら

どこに入ろうか彷徨った◎

でも
どの店も
僕らにとっては80点を超えるほど
魅力的ではなかった◎

さっきまで
アベチャンと居た時は
どの店でもいい、と言うような状態で

入った店が結果100点だったのだ◎

相変わらず
ガラガラ転がしながら

ふと

閃いた◎

繁華街から一本入っただけのところに
それはあった◎

公園

近くのコンビニで
日本酒を買ってきて

シロツメクサの上に腰を据え

僕らは飲み始めた◎

李白の月下独酌の詩ように
月も、自分の影も飲み相手になってくれた◎

ただ、こちらは神谷も居る◎

二人だけど
広い公園だけど

賑やかだった◎

普段、トイレはウォシュレット以外ではしたくない
と言うほどの神谷なのに

その日は
公園で飲み交わすことに何にも
文句を言わなかった◎

さらに楽しんでいるように見えた神谷は

どこからか

アルミの椅子を三脚見つけてきた笑

こうなれば
この公園がどの飲み屋よりも
素晴らしく思えてくる◎

心地よい夜の温度と

月夜の空と

高校時代からの親友と

お酒◎

最高だよね◎

あ、そうだった

僕、まだ青春真っ只中だったんだ◎

文字にすると恥ずかしくてしょうがないけれど
そんなことを思ってしまっていた笑

ゆっくり
時間が過ぎていき

それぞれがやはり
思い思いに時間を過ごし

僕は
カメラを手に
色んなものを撮ってみたり

神谷は
シロツメクサに寝っ転がってみたり

していた

神谷が寝た笑

それに連れて

僕も寝た!笑

この人たち、男30歳
経営者たちにして、旅先で

野宿!笑

そして

博多の大都会のど真ん中にも

朝が来た笑

町が動き出す前

目を覚ました僕らは

公園のあと片付けをして

空港に行き、ラウンジで無理矢理少し仮眠を取って

フライト前に空港内のいつもの店でビールを飲んで

江戸へ帰還◎

そして、それぞれが家でシャワーだけ浴びて
その日の営業に入るのでした◎

まさか、この年で
野宿をするとは思わなかったよ笑

ま、いっか◎

おしまい◎

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