魔力

上京してきて初めて一人暮らしをスタートさせた町

高円寺◎

大学も有り、バイトもして、友達も出来て、彼女も出来て
社会人になった後、自分を試すための【井の村】を
始めた井の頭公園もある町

吉祥寺◎

大学一年生の時、高校時代から付き合っていた彼女が住み始めた町

中野◎

府中で神谷と市川と男三人で暮らしていた時
そこで乗り換えなのに、寝過ごして
よく、終電を逃した町

武蔵境◎

神谷と二人で青二才の原形を作らせてもらうチャンスを得た町

三鷹◎

この大都会東京に来るまでは
岐阜の田舎で新宿、浅草、六本木の区別もつかないような
感覚で、思いを馳せていた◎

そして
大学が東京に決まり
東京の地図を眺めるたびに

大都会東京において
中央線というのはなぜこんなに
わがままなほどに真っ直ぐなのか

とか

地図上こうなってはいるものの
おそらく小さなカーブはあるはずだ

と言う疑いに似たような気持ちとかを

思い抱いていた◎

まさか、こんなにも
中央線から離れることができなくなるなんて
その時は思いもよらなかった◎

新宿と浅草の区別がつかないように

中央線と、東武東上線や、田園都市線の
区別というものが当然つかなかったのである◎
一度離れたけれど、再び戻ってきた高円寺の町で
梨枝様と出会い

駅からは離れてるけれど、面白い物件を探していた僕らに
出会うべくして出会ったのが今、青二才のある阿佐ヶ谷の町だったり

どこへ出かけるにも
まずはこのわがままなほどに真っ直ぐな
中央線に乗らなければならない◎

本人の意思とは全く別の力が作用しているような
感覚に陥ってしまう◎

岐阜に居る時じゃなく
東京に来て、住んで
やっと分かったこと

東京に住む限り
中央線からは離れられないだろうきっと

ということと

中央線は嘘偽り無く
真っ直ぐ走っているんだ

ということ◎

先日、茨城に向かう電車の中で
一人そんなことを思っていた◎

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