- 2011年7月26日
- BY 道太
オワリハジマリ5
気がついたら
きじやには僕ら6人以外誰も居なくなっていた◎
僕は
それでも
このきじやでの飲みの場を
終わらせるのが寂しくて、延々とお酒を飲んでいた◎
今日この時はもう二度と無い
きじやにスタッフを連れてきてお酒を飲めるのは、もう無い
僕の思春期を過ごしたお店
僕を支え続けてくれたお店
スタッフと飲みながら
僕は一人で、みんなとは違う寂しさを感じていた
きっと
今までの時間がみんなよりも
圧倒的に長過ぎた故だろうと思っていた
だから
テーブルの染みの跡一つ見ても
この染み、懐かしいなぁ、なんて思いに浸っちゃう
だからさっきから
トゥーさんやマコトがツイッターとかやってるであろう
携帯いじりも、そんなことしてるんだったら
一瞬でもこの空気を体感していたいと、携帯は遠くに置いておいた
なんだか泣きそうになってきた
ずっとヒナちゃんを縛っていた経営者って言う肩書き
それから、ヒナちゃんが外れることは子供として
何よりも嬉しいことのはずなのに
やっぱりどこかでは寂しくて寂しくてしょうがなかった
仕事がひと段落着いた嘉子と
ヒナちゃんも僕らのテーブルに来て一緒に飲み始めた◎
しばらくした後
神谷が車に乗せっぱなしになっていた荷物から
パソコンを持ってきて、嘉子とYoutubeを見だした
ま、いっか
この普通の飲み会みたいなのが
今日はいいや◎
寂しくなりすぎちゃうから◎
すると
神谷が
『実はさ、今日青二才のお客さんたちに声かけてあってさ』
と青二才のホームページを不意に開いた◎
『呑んでる時なら、道太携帯とかでホームページとか見ないと思って、
この一時間ちょっとでメッセージ挙げてもらったんだよね』
と◎
それがこれ
寂しくて寂しくて
しょうがなかった時に
これはズルイ。。。。。
スタッフ間にしか
今回の帰省の真意を話してなかったのに
それを知った青二才のお客さんたちが
こんなにも協力してくれるなんて。。。。
目頭が熱くなった
トゥーさんはすでに泣いていた◎
素敵過ぎる人たちに囲まれすぎてます◎
本当にありがとう◎
心からの感謝だよ◎
すると
マコトが持ってきたギターを
マー君がおもむろにケースから出し
僕らの正面に5人が立ち
『うまく行くかわかんないっすけど』
と
弾き始めた
みんな手書きのメモを片手に持って
歌い始めたその曲は
『いとしのエリー』
ずっとずっとずっと前
僕がまだオネショしてる歳の頃
お父さんが休みの日に
よく窓際に座って弾いて歌っていた曲だ◎
うちの家族にとって
この曲は特別すぎる曲なんだ◎
心の中に居るお父さんを思い出すときは
いつも流れる◎
明るい日差しを浴びて
とても気持ちよさそうに歌うお父さんが大好きだった◎
先に死んじゃったけど
この曲をはじめ、お父さんが色々、ホントに色々残してくれたから
一瞬たりとも『お父さんが死んじゃったせいで』
なんて思ったこと無い◎
隣では
嘉子もヒナちゃんも
大号泣していた◎
僕は、
まぁ、当然、だ◎
三人とも泣きながら
『ありがとうありがとう』
と
言葉にならない感謝の言葉だけを何度も言った◎
そうか
きっと僕は
感謝される人生よりも
感謝する人生の方を選びたいんだ◎
人を作るのは人
人を変えるのも人
人を喜ばすのだって、泣かせるのだって全部人
人
人
人!
ヒナちゃんから与えてもらったのは親子の愛情
教えてもらったのは、人の大切さ◎
辛いときでも
感謝して前に進んでいくことの大事さ◎
お父さんが周りの人に支えられて作ったこのお店
を
お母さんが引き継ぎ、町の人に愛され、子供を育て
おばあちゃんや、おじさんや、親戚の方たちに見守られて
板前さんや、他のスタッフの方に手伝ってもらい
子供が育ち、独立し、そのスタッフやお客さんに
やはり支えられて
なんだ
僕は
人の中で生きてきて
これからも人の中で生きるんだな◎
全ての人に感謝したい◎
そんな思いに至った今日です◎
きじやは終わるけど
まだまだ今日から何でも始めることできるね◎
この日
携帯をいじっていたのは
みんなに声をかける為
この日
神谷家では、みんな
ずっと練習をしていて眠れなかった
僕の知らない所で
僕の感謝の種が蒔かれてたんだ◎
何時ごろになったか忘れたけれど
順々にみんなが二階に上がり眠りに付きだした◎
かなりの量を飲んだはずなのに
眠くならなかった僕は
もう一人、まだ飲めそうな目をしていた神谷と
再び一階で呑み始めた◎
他愛も無い話
仕事のこと
家族のこと
これからのこと
親友として
家族として
仕事仲間として
全てが一つに束ねられているかのようなこの飲み相手と
朝が来るまで呑んだ◎
6時半ごろ
つい2時間ちょっと前まで一緒に飲んでいたヒナちゃんが起きてきた◎
『キンちゃんの散歩の時間だから◎』と
もう、還暦も過ぎた
皺も増えた
もともと、ちっちゃかった背も
もっと小さくなってるように思える
そんな体で
この大きなお店を
本当に
身を粉にして
僕らを守ってくれていたんだ
と
お疲れ様でした
と言いたい◎
今度は僕らが守ってあげなきゃ◎
楽しいことしてあげなきゃ◎
ありがとうねヒナちゃん◎
これからの人生も楽しみにしててね◎
ルール
ハグ!