どっちでもいい話

青二才によく来るベルギー人

優秀な彼は

日本に来て
外資の投資銀行に勤め

オランダ語
英語
フランス語
ドイツ語

そして日本語を流暢に操る
一人暮らしをしているマンションの
手前にある青二才に
週に何度も来てくれるのだが

営業中、忙しそうに
僕が狭い通路を通ろうとすると
必ず道を塞ぎ

重い物を持っていると
必ずちょっかいを出してくる

金曜日

いつものように
やって来た◎
僕もいつものように

「おかえり!」

と言った◎

すると


『ここは僕の家じゃないのになんで、「おかえり」って言う!?』

食いついて来た

僕は

「どうせ家に帰っても誰も居ないから
言ってもらえないでしょ!
だから、
その分を僕が今言ってあげてるんだよ!」
と笑いながら言った◎
変に納得したのか

その日は
すんなりと通路を行く
僕を通した◎
いつも言わないのに
コートを預かる時に
『ありがとう』って言った◎
帰り際

「んじゃまた明日!」

と言って見送った◎
『んじゃ、』

と言って向こうから握手して来た◎

なんかこっ恥ずかしかった◎
道を塞がれていた方が
居心地が良いけど

この日もこの日で
良かった◎

どっちでも良い話◎

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