- 2012年3月25日
- BY kamiya
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のれんにうでおしんや
人は誰も
周りの人とは違う部分が
多々あるわけで。
その部分に磨きをかけたものが
“特技”と呼ばれるならば、
俺は昨日
特技をみた。
前にも書かれていたけれど、
もう一度書こう。
この男のことを。
この男は
睡魔さんの言いなりだ。
睡魔に対する忠誠心が
ケタはずれだ。
もう、睡魔様、だ。
今までも歴史的瞬間は何度も見てきた。
いつもならただ笑っていられたが。
ご存知の方もいると思うが、
彼は先日、
週末の忙しい土曜日に
父親の還暦のお祝いに
実家に帰った。
金曜の営業後
その足で
朝一の新幹線に乗り岐阜に帰った。
とても優しい心の持ち主だ。
ただ、その日は店が忙しくなるのも分かっていた。
余談だが、
ちなみにうちの店は、
金曜の夜に
発注担当が
酒の発注をしないと、
次の便は
月曜の到着になってしまう。
ようは
通常の倍のお客さんが来る週末に
肝心のお酒が届かない、
ということになる。
その日に、だ。
その金曜日に営業が終わり、
彼はバックルームのソファで、
『6時過ぎに家でないといけないんzzzzz』
また得意の0秒をたたき出した。
もう驚かない。
『おい慎矢!間に合わなくなるぞ!』
『zzzん、んん あ!やばいやばい!俺帰ります!おつかれっしたー!』
と、帰って行った。
そう、その時はまだ気付いていなかった。
翌日、土曜日。
全然酒が来ない。
当然だ。
なんせ発注をしてない。
その頃彼のツイッターでは
岐阜での家族との
宴の様子が
いちいち写真付きで
すがすがしいまでに
ばんばんツイートされていた。
何をこいつは日本酒と寿司のマリアージュを語ってんだ(大怒)
帰ってくるのが楽しみと感じるほどの
怒りだった。
それも先日の話。
そんな彼が、
昨日俺がバックルームでレジ閉めをしていると
隣のソファで発注を始めた。
さすがにもう発注を忘れることはない。
『神谷さん、下の白ワイン使ってないですよね~?』
『おう、使ってないよ』
『・・・・・・zzZ』
は?
寝てる。。。
『おいシンヤ!』
『んぁああ!すいません墜ちてました。いやぁ眠い』
ったく。。。。
『んで神谷先輩、明後日の予約あるんで赤ワイン多めに取っときますね』
『そうだね、そうして』
・・・・・
『おい!慎矢!』
『はい、赤わぃんわ多めに取っときますよ!白ワインは・・・』
『だから使ってないって!!!!』
なぜこの期におよんで、一旦寝てないフリをする。。。
『いゃあ~ねむいなぁぁぁzzzZ Z Z Z』
また、寝てる。
まったく進まないので
近くにあったバースデー用のクラッカーを
顔の前で鳴らしてみた。
パぁぁん!!!
『ぅわわあああ!!! 刺さりました!』
何が刺さったのだろう。
『細かい数字見てるとねむくなぅ。俺立って発注します、恐いんで』
『・・・そうだね、そうしなよ。』
しらないよ~。
もう好きな体勢でしてください。
ちなみに発注用紙の数字は自分で書くところだから
まだ何も数字は入ってないはずなんだけど。。。
『んで、神谷先輩、白ワインって下で使って・・』
『ないです! いい?使ってないです!
何回ゼロ発進するんじゃコラ!
こっちが進まんわ!』
こいつはどんだけ睡魔に惨敗してんだよ。
『いやぁ、こうやって発注忘れるんすね~』
『・・・・・・・・・ 』
こいつ反省してないな。
俺は嘘をつくのは特技ではない。