- 2012年6月9日
- BY 道太
過去現在
これを書いているのは6月7日
仕事を終えて
今日はどうしても一人になりたくて
久しぶりに漫画喫茶に来てみた◎
小さなころから
お下がりばかりで
末っ子だから家族の中で誰にも威張れたりせず
ずっとずっと自分の事よりも人のことを優先してきた
僕の妹、嘉子
明後日結婚する前に、今まで何もあげてこれなかったけど
思いつく限りの言葉をあげたくて
今日は一人でパソコンを前にしている◎
『ほら、あれが道太と陽子の妹よ』
誰だったかは覚えていない
白い壁の上にあるガラスの向こうに生まれたばかりの嘉子がいた
(僕の妹だ)
それ以外の記憶は一切ないが
それが嘉子と会った最初の記憶だ
父、均と
母、日南恵の間に
長男として僕が生まれ、次に陽子、
兄妹喧嘩をして
当然負ける、そして泣く
兄の権力で
強引にテレビを変えられる、そして泣く
好きなものも、嫌いなものも
すべて兄、姉優先、そして悔しくて泣く
嘉子の涙は
いつ、何時でも簡単に出るものだと思っていた
横暴な兄だ
僕が15、嘉子は小学校6年生になる年に
いきなり交通事故で父が亡くなり
一家全員で泣きじゃくった
泣きながらも
僕は兄として
妹二人を、母を支えていかなければ
と、思っていた
嘉子はまだ小学生だ
まだまだ子供の嘉子には支えが必要だ
兄として、ちゃんと自立して
後に続く妹に父親の代わりに背中を見せなければ
年が上の僕は
当然、嘉子よりも先に高校を出て
東京の大学に入り、一人暮らしをして
大学を卒業して、働き、
大人になったつもりでいた
嘉子よりも先の人生を送っている
兄としてそれが当然のものだと思っていた
嘉子は地元からも近い専門学校に進学した
母のそばにいた
僕が東京で青二才というお店をスタートさせる時
『手伝ってあげよっか??』
と声を掛けてきた
付き合っていた彼を名古屋に置いて
半年もの間
『住めて食べるものだけあれば、お給料は要らんに』と
ほとんどお金を受け取ることもせず、厳しかった神谷の教育に何度も泣きながら
それでも青二才を手伝ってくれた
僕のそばにいた
その後、嘉子が地元に戻り、
再び母のお店の手伝いをしているころ
ハッと気付いた
僕が兄ぶって背中を見せてきたつもりでいれたのも
長男でありながら青二才という、
末っ子でスッと支えてくれる嘉子がいてくれたからだ
嘉子はすぐに泣く
大人になった今でもこれは変わっていない
誰よりも
相手の気持ちがわかるからだ
人の辛いことや、苦しいことが
まるで自分のように感じ取って泣く
嘉子はすぐに泣く
人の嬉しいことや、感動したことが
自分の嬉しいことのように、泣く
社会に出た今を大人と言うならば
大人になって
一度、僕と二人で飲んだ時に
恥ずかしながら初めて、嘉子の辛かった時の話を聞いた
僕も嘉子も涙が止まらなかった
大人になってその日初めて、
子供のころ
意味のない涙だと思っていた嘉子の多くの涙は
今、誰よりも優しい涙だと気が付いた
こんなに優しく
こんなに人のために泣ける人間が
僕の妹だなんて
誇りでしかない◎
あの日
ガラス越しに見た小さな小さな嘉子が
こんなに素敵な女性になるなんて
本当はどこの誰にもくれてやりたくなんてない
泣けば済むならどれだけでも泣く
が、相手はマチャ(彼)だ◎
二人で泣いた日以降
応援しかしていない僕の大好きなマチャだ◎
やっと結婚できたね◎
嬉しくて嬉しくて泣けてきちゃう◎
これからも
僕を兄でいさせてください◎
僕の
大好きな家族の大好きな妹の一人、嘉子
ホントにホントにおめでとう◎
マン喫、個室でホント良かった◎