人の目は人の目
トイレに行きたい◎
日記を書こうと、PC前に座って早10分◎
何について書こうかな
などと考えながら
ネタとなる事象を探すが如く
最近携帯で撮った写真を見返してみたり
溜まったメールに目を通してみたり
そしてフェイスブックやツイッターなどをぐるぐるとしているうちに
ふと、全く関係ない人のつぶやきに貼られたリンクから
さらにその先のリンクへと飛び
気が付くとその10分が経っていて
10分前の僕は考えもしない感情を持っていた
そう僕はトイレに行きたいんだ◎
あ、小の方ですが◎
こういう状態に陥るといつも思い出す事がある◎
大学時代、飲食店でバイトしていた時の事
そのお店はかなりの繁盛店で
いつもお客さんでごった返していた◎
トイレは二つあるが
男女の区別はなく
忙しい時間などはその二つのトイレ前に、数人並ぶのだ◎
その日もご多分に洩れず
21時を過ぎたころにはトイレ前に人が並びだしていた◎
そのトイレ待ちの列にKさんは居た◎
Kさんは確かその当時で34歳ぐらいだったと思う◎
そう考えると、今の僕とほとんど同じなのか。。。
Kさんは東京大学を卒業され、超大手商社で宇宙開発事業部と言う
いかにも最先端な仕事をされていた◎
かと言って、頭が勉強や仕事でいっぱいの人ではなく
話していていつも(面白い人だなー)と思うほど
柔軟でユニークな人だった◎
そんなKさんがトイレを待っている時に
Kさんの後ろに別の席の女性が並んだ◎
Kさんよりは確か年配の女性だったと思う◎
お酒を飲んでいる時のトイレ欲求と言ったら
普段の5割増しだ◎
尿意がどうにも止まらなくなるようなことも多い◎
Kさんだってきっとそうだった◎
が
その次の瞬間に
『どうぞどうぞ!』と女性に列の先を譲ったのだ◎
まぁ、女性の方も流石に大人の対応で
『あ、大丈夫です』
などと言っていたが
そこでKさんは
『女性よりも男性の方が尿道が長いんですよ◎
だから、女性よりも男性の方が我慢できるんです◎』
と、そんなことを言って
結果、その女性に列を譲っていた◎
本当に尿道が長いから男性の方が我慢できるのか
などとそんな疑問は全く過ることなく
その対応が当時の僕にとって
『これぞ紳士!』
と思わせるには十分なものだった◎
今考えてみれば
男性だろうが、女性だろうが
その体でずっと数十年生きてきているわけだ◎
小さな頃から
尿意の限界なんてのは
その人がその体で味わったラインでしかなく
男性は男性の体なりに我慢をしているわけで
女性は女性なりに我慢をしているのだ◎
例えるば色、僕が今現在、黄色として認識している物は
僕が産まれてからずっと黄色として刷り込まれているから
そう見えているだけであって
僕じゃない人の目で見たら、実は違う色に見えるのかもしれないってこと◎
赤いトマトは、小さな頃から赤いトマトであって
『あの色が赤なんだよ◎』と教わってきたから、僕の目から来る信号は脳に
僕なりの赤色と言う解釈をさせ、トマトの色が赤と認識する◎
僕の意識が他人の体との中に入り込めたら
実はトマトは僕にとっての黄色として、その人は認識しているのかもしれない◎
誰も僕と入れ替わることはできないから
一生、僕がどう見えているかなんて分かることはないけれど◎
つまり、僕が女性であっても
トイレに並ぶことに関して、僕(いや、ワタシか。。)なりに我慢をしながら並び
前に並んでいる人が、男性だからといって
ワタシの我慢具合は永遠にわからないのだきっと◎
僕は僕なりに我慢をする◎
今だってそうだ◎
トイレに行きたいんだ◎
ここまで書いた15分
さっきの10分と足して25分◎
けっこう我慢できている◎
やっぱり、男だからなのか◎
尿道が長いからなのか◎
僕がもし同じ意識で女性だったら我慢できなかったのだろうか◎
ま、答えは永遠に分からないが◎
さて日記も書いたし、そろそろ満を持してトイレに行きます◎
が、最後に一言だけ付け加えておくとすれば
(すっげえ紳士!)
と思ったあの日以来
いつか、いつか
トイレ待ちの時に後から来た女性に
『尿道が長いのでお先にどうぞ』
と言いたい自分がいる◎
その瞬間その場は凍り付いて
絶対零度ばりの視線を浴びそうだが◎
まぁ
いつか、サラリと使いこなせるようになりたいものでは、ある◎
さて、トイレ行こう◎