あの頃は
昨日、今日と、すごいなぁ。
なんて、
バックルームのパソコンをいじりながら
小っちゃい窓の外の、
さらに
建物と建物の間から、
ちょうど顔を覗かせている
威張った月に見入っていると、
隣に座っている慎矢がすかさず薀蓄をたれてきた。
『スーパームーンって言って、いつもより月が地球に近いんすよ。
１４％大きくて３０％明るいらしいっすよ～』
多分今朝ニュースかなんかで見たんだろう。
いつも情報はＡｍａｚｏｎ並みのスピードで受け売りしてくれる。
なんにせよ、
今日は
月が大きくて明るい。
『本日、月が綺麗な為、勝手ながらお休み致します』
なんて張り紙を出して、
研修という名のもとに飲みに行ったこともあったなぁ。
小さな個人店なことをいいことに、
今までいろんな言い訳を駆使してズル休みしたっけか。
『本日、店主体調不良の為・・・・』
って時は往々にして二日酔いがひどい時だったし、
『本日、水道管破裂の為・・・』
の時は、前日酔っ払って２階から飛び降り水道管を折ったケンイチの
今後の処遇を話し合うため、という体で飲みに行くためだった。
『本日、電気系統の故障の為・・・・』
って時も、故障してるのはケンジの頭くらいだったし、
『本日、明日の為・・・・』
って時は、いよいよまっとうな理由が思いつかない時だった。
明日の為って・・・
働いてないのに。
過充電だわ。
あの頃はあの頃で楽しかったんだけどね。
今考えると、
無茶なこと色々してたなぁ、と思うなぁ。
最近、
青二才はエッジが立ってないだの、
尖ってないだの、
変わっただの
耳にすることがあるけど、
そりゃそうだ。
変わるし、守るし、広げるし。
やりたいことが多すぎるもの。
ばか正直にひとに合わせてばっかはいられませんよ。
ただ、
外からどんなふうに見えようと、
俺の中の青二才の半月は変わってない。
単純に
もっと楽しみたいし、もっと楽しませたい。
まだまだ遊び心は元気だぞ。
今日で青二才もオープンして１７００日。
たった１７００日。
月は、何日存在してるか知らんけど、すげぇ長い。
たまたま地球に近くて “スーパー” 呼ばわりされてるけど、
その大きさはずっと変わってないもんな。
何パーセントなんて知ったこっちゃない。
遠くても近くても、
見えても見えなくても、
いつでもアナタは“スーパー”ですよ。
尊敬するわ。
しかし、威張ってみえるなぁ、今日の月は！
