- 2013年5月24日
- BY 道太
秋田研修記３
さて、僕らは夜の八時半に起きて
九時までに身支度を済ませ、未だにしっかりとアルコールが残っているような状況で
秋田の街に繰り出しました◎
繰り出すと言っても、何も情報なしに向かっては限られた時間の中
後悔するような事態は避けたかったので
ささっと、ホテルのネットルームで秋田の美味しいものを検索し
すぐさま予約し、向かったのです◎
一軒目に行ったお店、酒盃（しゅはい）
古民家を改築したような趣の店内はゆったりとしたジャズが流れ
とても、大騒ぎするような雰囲気ではありません◎
ま、二人で大騒ぎはしないですが、。
電話でものの15分前に予約を入れただけなのに
下駄箱の所には【小椋様】と手書きで札が貼られていて
おもてなしの心に触れたのです◎
『こちらへどうぞ』
と通されたのは、二人にしては十二分に広い個室でした◎
が、なんだかなぁ、相手がさー
もう、15年も連れ添ってる奴だとさー
そんな雰囲気重視の所に行ってもさー
ってことで
カウンターの席にしてもらい
とりあえず、ビールで乾杯を◎
秋田に関わらず、地方都市の夜ってやっぱり早いわけよ◎
阿佐ヶ谷店のピークなんて
夜の11時ごろなのに、この日僕らが行ったのは夜9時◎
新幹線の中でのお酒がいい具合に残っていて
お店の人にしたら、完全に
二軒目だと思われてたんだろうな◎
一軒目ですが◎
なんなら、このビール、寝起きの一杯ですが◎
いやぁ、でも
良かったこのお店◎
お店が雰囲気をちゃんと作れていて
その雰囲気に沿って僕らもお酒を嗜む感じ◎
ホールの女性はみんな付かず離れずの距離を保ってくれていて
こちらが何か欲するような仕草をちゃんと見ていてくれる◎
カウンターの中に居る大将と思しき人は
ホールの雰囲気には飲まれず、ゆったりと
お刺身を引いたり、お燗をつけている◎
静と動のバランスが絶妙に取れていて
本当に居心地良く過ごさせて頂きました◎
いつか、スタッフを連れて来てみたいなぁこのお店◎
ま、そんなちゃんとしたお店だったんですが
やっぱり飲めば、話掛けたくなっちゃうんですよね◎
その、カウンターの中に居る大将に◎
こちらは全てを預けるような感じで
東京で日本酒メインの飲食店をやっていて
今回は新政さんに蔵見学に来たこと
僕らは高校の同級生だと言う事
今この時間も東京では優秀なスタッフがお店を守ってくれていると言う事◎
大将は
こんな若造二人にも
『そうですか、東京で、それはすごいですね』
と丁寧な言葉を使ってくださり
もう、35年以上このお店をやっている事
それでも毎年毎月毎日色々と新しい取り組みをしている事
などを僕らに惜しげもなく話してくださいました◎
凄いなぁ◎
僕らの30年先を行く人が
まだ全力で走っているんだもん◎
僕らも休むわけにはいかない◎
そう思えたのです◎
本当にいい時間だった◎
あっという間に閉店の時間になり
名刺交換までさせて頂き
僕らは再び秋田の街に◎
酒盃さんを出て、タクシーにでも乗って移動しようか
と言う時、ふと目に入ってきたのが
隣の焼肉屋さん◎
その店先に、ＮＥＸＴ５の旗が棚引いていた◎
（ＮＥＸＴ５とは、新政、白瀑、ゆきの美人、一白水成、春霞、といった秋田の
酒蔵さん５蔵が、それぞれ情報を共有しあい、新しい秋田ブランドのお酒を
作り出そうぜ！っていう今最もホットなお酒のグループなのです）
これはこれは◎
勉強熱心な僕ら
これは、ひとつ行っておかねば◎
と、躊躇することなく扉を開けて
お店に入ってました◎
が
『すみません、、ラストオーダー終わってしまって。。。。』
とお店の人
あぁ、なんていう。。。。
さすがに時間が遅かったか。。。。。
と
諦めかけたその瞬間
普段はそんなこと言わない神谷が
『すみません、一杯だけ、もう、15分で帰りますから。』
と◎
そんな我儘にも一つも嫌な顔せずに対応して頂き
僕らはちゃっかり入店
予習だ予習だ！
と言いながら
それぞれ、くいーっと日本酒を空けて
本当に15分で退店◎
再び夜の街へと繰り出しました◎
そのお店を出てタクシーに乗り
秋田市一番の繁華街である川反へ◎
僕らは実を言うと秋田に来るのは二度目なのです◎
もう、7年も前、青二才を作る前に日本一周しようぜ！
と神谷と日本を一周したことがあったのですが
その際、秋田にも来ていました◎
が
貧乏旅行だったゆえに何よりも安さを重視した店選びでした◎
大きな荷物を背負ったまま繁華街を何往復もして
一番安くて、それでも地元の物がありそうなお店に入ったのです◎
そこで安い焼酎か何かを頼んでは酔っ払っていた記憶がありました◎
『あの店あるかなぁー』
なんて酔っ払いの僕らはフラフラと川反の街をぐるぐるしていると
その店は今も同じ場所に佇んでいました◎
本当は新鮮な魚貝や、比内地鶏なんかが食べたかったのに
お金が無かったので、比内地鶏と思い込んで食べた焼き鳥屋◎
二軒はしごして、なんなら、新幹線を入れたら三軒目の僕らは
吸い込まれるようにその店に入り
当時と同じ場所に座り
当時のようにお酒をオーダーし
同じおっちゃんが働いているのを見て安心し
時間の流れをゆったりと感じました◎
７年前からは想像もできないような事が起きている今
青二才で働いていてくれているスタッフだって
慎矢以外は誰も知らない存在だったんだもんね◎
マー君も、マコトも、トゥーも、ヤスも、ホセも、アンリも、良太も
そして、この日記の場所も無ければ、これを読んでいてくれているお客さんも
梨枝様や、神谷嫁の綾姫でさえも
誰も知らない時間が７年前にはあって
でも、その時訪れた秋田よりも
この日感じた秋田はもっと充実していて
勝手に、
『うん、僕らの７年は何も間違ってなかったんだ』
ってホッとしちゃった◎
もっともっとできたことはあっただろうし
もっともっと失敗せずにやってこれたこともあっただろうし
それでも
当時の目標である
自分のお店を持つことも出来たし
なんなら、二つもやらせてもらってるし
そこを、任せて僕ら二人で秋田に来るなんていうことが出来ているし
何よりも、大切な大切な色んな人に会えてるし◎
もっと
出来たはずって事を考えるよりも
今自分が立っている所に感謝することが出来た夜◎
もう、お腹いっぱいなのに
〆に
おばけそば
食べて帰った夜◎
さぁ、明日はいよいよ新政だ！
ってところでまた次回◎
つづく
