祝杯!

反対者ゼロ
僕が、とある日の営業前にスタッフのみんなに相談を持ちかけた際の話だ◎

1月10日(木)

5周年のイベント時に大勢のお客さんの前で
公開プロポーズをした神谷は
彼女と二人だけで逗子でフォトウエディングと言うスタイルの
小さな小さな結婚式を挙げることになっていた◎

2店舗目が出店すると言うこの、めっちゃくちゃに忙しい時期に、だが
9月の段階ではまだ、2店舗目の具体的な日程などは全く決まっておらず

その後決まった物件などと、そもそもの結婚式とを
同時進行して行ったら、この日になったと言うわけだ◎

神谷は
超が付くほどに忙しい日々の中で
結婚式の準備を着々と進めていた◎
2店舗目出店が近づくにつれて
僕と神谷がお店を空ける時間も多くなり
それと同時に各スタッフも今まで以上にハードな仕事をこなしていてくれる◎
ま、そんな忙しい時期だよ!
ってことが言いたかっただけなのだが

そんな時期に

僕がみんなに持ちかけた相談とは

『神谷たちの二人だけの挙式に
スタッフ一同サプライズで行っちゃおうぜ!』

と言うことだ◎
もちろん帰ってきて営業はする◎

過酷な一日になることは容易に想像できたが
誰一人反対しなかった◎
逗子のどこかの式場とは聞いていたが会場が分からない僕ら◎
サプライズは百戦錬磨の神谷のことだ

迂闊に僕らが『式場どこだっけ!?』

『何時からだっけ??』

などと聞いては0.2秒で

(あ、こいつら何か企んでるな。。)

とバレる◎

念には念を入れて
お客さんに事情を話して、お客さんの口から情報を聞き出してもらった◎

んで、前日9日の営業が終わった後に

10日の営業がすぐできるようなセッティングをした◎

料理の仕込みも済ませ

ビデオカメラの充電もした◎

んで、明けて10日◎

雨師神谷でさえも
この日だけはなぜだか
雨を準備することはできなかったようで快晴だった◎

それぞれがスーツを着込んで
珍しく誰一人として遅刻することなく集合◎

新宿から12時45分の湘南新宿ライナーのグリーン席に座り
ま、お祝いだしね◎

グリーン席って席に缶ビール置けるところが付いちゃってるしね◎

天気もいいしね◎

これから逗子=海に行くわけだしね◎
やっちゃいますよね◎



今ごろきっと着付けしてもらってんだろうなー

などと推測しながらビールを傾ける一同◎
『ところで式場には連絡入れてあるんですか?』

と睦◎
当然
入れてない◎

一応確認しとかなきゃなー

なんて思いながらも

なんだかんだでバタバタしていて
式場に確認することもせず◎

つまり

神谷たちの式に行くのは

僕ら以外誰も知らないのだ◎
電波少年ばりのアポ無し状態だ◎
『アポなしで行けますかね。。もしかしたら建物自体に入れないとか。。。』

と不安げな言葉もいくつか出たが
『ま、それはそれで海見て帰りましょう!』

とさすがポジティブ軍団◎

逗子に着くころにはほろ酔いの一同◎

バスに乗り換え、葉山の御用邸を通り過ぎ

いよいよ会場に到着したのは14時半だった◎
ここからは注意しなければならない◎

建物の周りをウロウロしていてその姿を見つかるなんて
一番ダサい◎
スパイのように身を潜め

周りに注意しながら建物の内部に潜入◎

するとすぐに式場の方が居たので

『今日こちらで式を挙げている神谷の同僚なんですが
サプライズで来ちゃったんですが一緒に写真を一枚撮るとかだけダメですか??』

と手短に説明◎
(ダメかな。。。)

などと思っていたのだが
ここからまさかの神対応◎
『あ、本当ですか!?それ、めっちゃ喜ぶと思います◎
新婦さんは衣装直しで新郎さん、今タバコ吸いに行ってるんで
今のうちにこちらへどうぞ!』

と、この日使用しない会場へと案内して頂き

そこからさらに

『あとしばらくしたら、チャペルでの撮影があるので
その際に先にチャペルに入ってもらってたり
ってのはどうですか??』

とご提案頂く◎
もうね、最高◎

新郎新婦の前に飛び出て
ワーッとやって、おめでとうー!と言って
終了!

のはずが

テレビ番組のように大がかりなサプライズに
スタッフさんのおかげでみるみる仕立て上げられていった◎
そこからしばらく待機した後に

再び、スタッフの方が呼びに来られ

『先ほどリハーサルが終わったので今のうちに
チャペルにご案内しますね』

と◎

なんだか、こっちまで少しソワソワしながら
スタッフさんの後を付いていき

ゲストは誰も居ないチャペルの最前列に一列になって座った◎
右手にカメラを持ち

入り口付近を今か今かと
ずっと狙っていた◎

カメラを持つ手からは
ここ一年で一番じゃないか
ってぐらいの汗が出た◎
『それでは新郎新婦さまのご入場です!』

と会場の方が言われた◎
手が震えるのを押さえながら

入口を見やっていると

扉が開き

白いタキシード姿の神谷と
純白のドレスの綾さんが入ってきた◎

普段とのあまりにも違う姿に
サプライズを仕掛けている側の僕らは
笑いがこみ上げてきた◎

隣でトゥーさんなんかは
明らかにクスクス声を出して笑っている◎

が、神谷も綾さんも僕らに気が付かない◎
真面目にやり過ぎて
僕らに気が付いていないのだ◎
ま、この場所に居るなんて
みじんも思っていなかったから
と言うのもあったのだろうけど◎
隣のトゥーは気が付かない二人に
いよいよ笑いが漏れすぎていた◎
が、気が付かないのだ◎

入口から入り

二人で歩いたのちに足元に注意しながら90度曲り

バージンロードの前に立ち目線を再び上げた時

普段見慣れている僕らの姿をやっと発見した◎

『え”ぇ”っ!!!!!』

固まる神谷

『なんで??なんで!!?仕事は!!?!?』

と状況がつかめない綾さん

それでも

少しずつ状況がつかめてきた二人は
ゆっくりと再びバージンロードを歩きだし

たった6人の拍手の中

神父様の前に行き

結婚の言葉をもらい

讃美歌を歌い

指輪を交換し

キスをした◎
二人だけでひっそりやるはずの式に

僕らも入ってしまった◎
慎矢は泣いていた◎
その後、誓いのサインをして

チャペルを出た二人とテラスで写真を撮った◎

が、これで完了ではない◎

これはお昼の阿佐ヶ谷駅の写真だ◎
慎矢が持っているこのクーラーボックス◎
甘えついでに
スタッフさんに


『すみません、、実は二人と乾杯したくて
シャンパン持ってきちゃってるんですけど、、、』
などと言ってみたら

『それはイイですね!是非とも!』

と、即快諾◎

いやぁ、見習うべきところ多いなここのスタッフの方には◎
その後
持参したクーラーボックスの中から
図々しくも
シャンパンとフルートグラスを出し

みんなで乾杯した◎
いやぁ、いいお酒だった◎

また一人家族が増えたんだと、そう思えたから
この上ない味わいだった◎

神谷も綾さんも僕らも、スタッフさんもみんな笑っていた◎

さ、
二人をびっくりさせることも出来たし

二人を喜ばせることも出来たし

僕らのミッションは完了だ◎
僕らには次のミッションがある◎
今日来てくださるお客様を喜ばせなければ◎

沈みかけの太陽を見ながら

再び電車に乗り

店に戻り、いつものようにお店を開けた◎
逗子での滞在時間2時間

たった2時間だけど

この2時間の為に、多くの時間を割いて良かった◎

睡眠時間を削って良かった◎

お金や物には変えられないとにかく最高な時間を得たんだ◎
誰かの喜ぶ顔が見たくて

のサプライズってやっぱりいいもんだな◎
次は誰かなぁ◎

スタッフか、お客さんか◎

かけがえのない時間の為に全力になれるチーム◎

これからもそんな青二才でありたいね◎
兎にも角にも

神谷、綾さんおめでとう!

今度、ちゃんとまたお祝いしようね◎

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