なぜ青二才なのか【5】
開店してから毎日が楽しい反面、絶望の日々でした◎
改善すべきところが多すぎてどこから手をつけてよいのか分からないような状態◎
家にも帰れず、銭湯に5分だけ行くような日々が続きました◎
そんな時に支えてくれたのはやはり家族と
今までお酒を通して知り合ってきたお客さんたちでした◎
右往左往する僕らを温かい目で見てくださり
楽しそうにお酒を飲んでくれる、その姿だけで何度も救われたのを覚えています◎
そんな中、少しずつではあるけれど
徐々にお店っぽくなってきて、新しいスタッフも入り
穏やかな夕方には入り口の扉を全開にしてスタッフ全員で乾杯をして営業に入り
阿佐ヶ谷の青二才を居心地よく使ってくれる人も増え
あぁ、この人たちの人生の一部にこの場所がなれてるんだったら、幸せだなぁ◎
などと思っていました◎
が、
そうそう全てがうまくはいかず、オープニングスタッフ以外のスタッフが
ことごとく辞めていく時期がありました。
僕らは来ていただいたお客さんに楽しんでもらうために
全力になりすぎているのが悪いのか
もっと、甘く緩く働いてもらったらいいのだろうか
と、本当に悩む時期がありました
人が入っても入っても
すぐに辞めてしまう
今まで、こうしたい、ああしたい
と我侭を通せてきたのは偶然だったのか
何よりも人を大事にしたいと思っているのに
悩んでも悩んでも答えが出ないまま
それでも人は離れていく
もう、どうしていいのか分からないような時期に入ってくれたのが
阿佐ヶ谷店で働いてくれているマー君と、睦でした◎
呑むのが好きなマー君と、まぁ、黙って付き合ってくれる睦
メンバーが固定しだすと、徐々に本当に徐々に歯車が合い始め
再び、お客さんと一緒に前に進むことが出来たのです◎
その二年後にはトゥーが、さらに半年後に慎矢が◎
気が付いたら僕も神谷も32歳◎
僕は結婚もし
神谷も婚約をし
ふと自分の、青二才の周りを見れば感謝しきれないほどのお客さんが居てくださり
再び、前に進む決心が出来たのです◎
多くの
本当に多くの
乾杯を共にした
青二才を支えてくださる人が居て
今、こうやって中野で夢の続きを見ることが出来ています◎
ヤスも入り、一馬も入り、杏理も入り、良太も入り
中野が出来たことで知り合うことが出来た方も増えました◎
やっぱり人生は足し算です◎
今、こうやってゆっくりと日記の言葉にして思い返すと
僕の人生、いい事ばかりじゃないけれど
そんな事でさえも、今脳裏に浮かんでくるのは
これまで会ってきた人たちの笑っている顔です◎
僕も笑っちゃいますよそんなの◎
後付だろうがなんだろうが
青二才って名前は、僕が、神谷が、スタッフが、
誰にだってある、大変な時期や、転機
そんな自分じゃどうしようもないような、
何も出来ない青二才な自分を支えてくれた方、くれている方への気持ちを忘れないように
自分たちはいつまで経っても青二才なんだよ
と言う気持ちを忘れないように
欠けている月を少しでも満月に近づける気持ちを忘れないように
やりたいことや、夢を叶えることが出来るのはきっと
能力の高い人ではなく、何も出来ないから何でも出来る!と振り切ってしまう力を持つ
青二才なんだよ◎
と言うことです◎
だから、おそらく
泥酔の中、僕は神谷に
『青二才』と
送ったんでしょうね◎
長々と書いてきましたが
一番最初に書いたように
全くの僕視点のみなので
ま、あとはそれぞれ来て頂いた方がどんな風に
お店の空気を感じて、受け取って頂くか、
お店の空気を感じて、受け取って頂くか、
その青二才も正解だと思うのです◎
ところで
阿佐ヶ谷店は全てのジャンルを網羅したお酒揃えですが
日本酒を売りにしている中野青二才
もうちょっと、ネーミングに日本酒をイメージさせるもの付けた方が良かったんじゃない!?
などと言われます◎
取材を受けて、記事を見て
再び思います◎
僕らは商品を売っているのではないです◎
全く同じ業態でやろうと思えば、誰だって出来ちゃいます◎
僕たちは全力で
楽しい時間空間を提供させていただいているのです◎
お酒を飲むことの楽しさ、お酒によって温かくなれたり
人と繋がれたり、自分の人生に大きな何かを足してもらえる時間のすばらしさ◎
やっぱり基本は人◎
そこにお酒があったり、青二才と言うお店があったり◎
飲酒人口が減ってきている中で
それをちゃんと伝えていけたら良いですね◎
そして、その場所に日本酒ってすごくいいと思うんです◎
あぁ、長いこと書いたな◎
さて、家に帰ろう◎
もう、完全に明るい、と言うか昼だ◎
花見でもしてくる!!