家族と言える全スタッフへ その弐

最近ありがたいことに

青二才を

新聞や雑誌、ネット上などに取り上げて頂く事が多い。
今まで阿佐ヶ谷でひっそりとやっていた店なのに

コンビニで見かける紙面に自分の店が載っているなんて。
自らハードルを上げておいて

こんな気持ちもどうかと思うが、

おいしいところの

一部分を切り取られた情報を見て

期待して来て頂けるお客さんの

その期待を超えれるかというちっぽけなプレッシャーもつきまとうが、

とは言え

やはり田舎から大都会に出てきた田舎者としては

正直少し誇らしい部分もある。

しかし

何故か田舎の両親には

『自分の店が雑誌に載ったよ!』

なんては

どこか恥ずかしくて

言わない。
「こんなこと、たいした事でもないよ。まだまだだもん」

と思っているのだと思う。

うん、だと思う。
そんな気持ちになると

なぜか毎回中学校の公衆電話を思い出す。

小学校を卒業して

そのまま地元の中学校に入った。

田舎だった為

もちろん「中学受験」などという言葉すら知らなかったし、

自然の流れで

小学校を一緒に卒業した全員がそのまま

同じ中学にあがった。

変わった事といえば

私服から制服になり

一番前で整列してたやつが

一ヵ月後には後ろから3番目になったりして

全員が成長期に入ったくらいだ。
自分の通っていた中学は

その辺りの学校の中でも腕白、

悪い言い方をすればその辺では一番“悪い”と言われる学校だった。
その時は普通だと思っていたが

制服はいわゆる「ボンタンに短ラン」が主流で

むしろそれを着ていない事が格好悪いこととされていた。

中には「長ラン」のも居たが。

ま、意識的にも見た目も、今となっては大差はない。
廊下を自転車が走り

他校の生徒が来れば3階から椅子が降ってきたり

卒業した先輩はバイクで構内を走りまわる。

授業も当然サボって教室はスカスカ。

見つけて欲しいのかというくらいあからさまにタバコを吸うのもいた。
そんな中でも俺は

かるーく一緒に悪さもして帰って公文式をやってしまうような

要領のいい子だった。(調子のいい子だった)

周りの目と評価が気になる

八方美人だったんだと思う。
おかげでそこそこ成績は優秀。

3年の時にはどうしても生徒会長をやってくれと

先生達が家に押しかけてきたくらいだった。

“ワルい”と言われるグループとも仲が良くて、

でも

親の目も先生からの目も気にするような俺は

学校からみれば適任だったのだろう。

そういえば小学校も生徒会長だったな。

ま、ずるい子だったんだと思う。
前回も書いたが俺には8才上の兄が居る。

8コも違うので定かではないが

兄が中学のときは

なぜか連れて来る友達は金髪が多くて

違う意味で先生方が家を訪問してきたり

家族会議がしばしば行われたりと

いい意味で自由にやっていたため

母が泣いているのも何度か見たな。

悪いこともするけど

優等生でいたいというのも

その反動だったのかもしれない。
ま、兄の名誉の為にも言っておくが

今は偉大で心強いとても実はホントに良い兄だ。

小学校の頃

そろばん塾が嫌で嫌で

辞めるなら違う事をしなさいということで始めた

スピードスケートもそれなりの成果で

全国大会にも出場するくらいになっていた。
親の影響で大人に混ざって茶道にも週に一回通い、

今思えば

いろんな事させてもらってたなと思う。

そんななか3年も終わりが見えてきた頃

皆が進路を決め始め

俺はその辺りではそこそこの進学校である高校に行くことに決めた。

成績は良かった方とは言え

それなりにちゃんと勉強しないと入れない高校だ。
受験が近づくにつれ

人生で初めての自分の進路を決める試験に

いっちょまえに勉学少年を気取っていたかもしれないが

それなりに勉強したんだと思う。
試験の当日のことは詳しく覚えていないが

ま、

落ちる気はさらさら無かった。
合格発表の日

結果を見に先生の引率のもと

高校に行った。

とても寒い日だったのを覚えている。
結果は見事合格。
なんだかんだで踊るような気持ちで中学校にもどり

職員室の前の公衆電話で家に連絡を入れた。

でもなぜか

子供のくせに昂ぶる気持ちを抑え

電話口の母に

『ま、受かったから』

くらいの事しか言わなかった。
もっと喜べばいいのにね。
「高校合格くらい大したことでもないよ」

と親にとっては喜ばしいことを

平然としてやったと思わせたかったのかもしれない。
なぜか中学の思い出には

あの公衆電話のひとコマが鮮明に浮かぶ。

もっと沢山思い出はあるはずなんだけどね。

33歳にもなって

やはり中身はそれほど変わってないのかな~

と最近も感じてしまった。

いくつになっても子供です。

そしてその後

将来同じ仕事をするパートナーの

小椋道太と出会うことになる

高校時代へと入っていくのだが

そろそろ仕込みの時間なので

今日はこの辺で。

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