• 2014年12月13日
  • BY 道太

ツンデレ突風

もう、25年ぐらいずっと

慎矢の先輩として君臨し続ける僕

おかげで

社会人になった今でも

慎矢は僕のことを

「道太先輩」と言う◎

もう今更なんと呼ばれようが構わないけれど

もう今更特に変える必要もないなどとも思う◎

たまに慎矢に仕事を振る時にだけ

はたまた、飲みたくない慎矢を強引に飲みに連れ出す時にだけ

ぼくはびゅうびゅうと

先輩風を吹かせる◎

風を吹かす方も25年来なら

風を受け止める方も25年来だ◎

はいはい、またいつものアレですね

と当たり前かのように連れ出される◎

上には上がいる

慎矢の先輩であるこんな僕にも

当然、先輩がいる

その中でも、年中吹いている偏西風のように

会うたび会うたびに先輩風を吹かしてくる先輩がいる◎

気がつけば、その先輩とももう15年ぐらいだ◎

先日、体調の悪い僕に

「いいから飲め」とお酒を強要していただいた◎

「いや、体調が。。。」などという理屈など通らない

「俺は道太にそんなつまらない酒の飲み方は教えてない」というありがたいお言葉までいただいた◎

「体調なんて気の持ちようだ」

「昔の道太はこんなんじゃなかったのにな」

「すみませーん、このお店で一番強い酒をこいつにやってください」

などとパワハラ、サケハラ、の総攻撃を浴びせていただいた◎

「年内にもう一度顔出せよ」と仰っていたので
昨日の営業後、電話をし顔を出しに行った

当たり前のように、まぁ、飲めよ、と

当たり前のように、はい、いただきます、と

かなりの量を店で飲んでいたのだけれど

「よし、うちで飲み直そうぜ」

と◎

先輩の家に場所を移し

先輩のありがたいお言葉をいただいているうちに

どこかのタイミングでついつい寝落ちしてしまったらしい

「おい、寝てんのかよ」

の言葉の後に

「じゃあ、おまえこっちで寝ろよ」

と布団が敷いてあった

先輩は先輩の布団に寝に行った◎

起きたら昼に近い晴れた朝だった

冷蔵庫から冷たいお茶を出してくれた

来ていた上着を羽織るだけで準備が済んだ僕を
ちょっと待ってろと言わんばかりに

「俺ももう出るから、一緒に出るぞ」

「いやあ、いい天気だな」

「昨日はよく飲んだな」

と先輩風を吹かしまくって気持ちの良い先輩

「けどお前、ちゃんと寝てんのか毎日」

「体だけは壊すなよ」

とってもツンデレな先輩

「あのラーメン屋は並んでるのにまずい、隣の方がよっぽど旨い」

「この辺は新宿までチャリで10分、お前んとこの店までも今度チャリで行ってみるわ」

などと話しているうちに
僕の帰る方面のバス停までわざわざ見送ってくれ
そこで僕だけバスに乗って自宅へ帰った◎

お酒の強要やパワハラが問題視されて幾年

ふと

毎日、全ての人がこの人だったら大変すぎるけど

僕には時代錯誤のこの先輩がいる、ってことがとても大事なことなんだなと思う◎

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