結婚式 たぶん その2

本当に嬉しくて嬉しくて、神谷同様よく泣いた一日だった◎

乾杯の挨拶とスカートは短いほうがいい

なんて誰かが言っていたのをまるっと無視して

けっこうしっかりと話してしまった気がする◎
本来ならばしっかり文章を作りこんで壇上に立つべきだったのかもしれないが

当日、何を話そうかとキーワードを二つぐらい頭において

あとは会場の空気や、新郎新婦二人の雰囲気に任せてみようと思ってしまった◎
当日話したことで覚えていることと
今再び思えば本当はこんなことが言いたかったんだよ◎

というのを改めて日記に上げてみようと思う◎

今日の日を迎えたあなたへ
けんや、一菜本当に本当に嬉しいよ僕は◎

大好きなけんやと、大好きな一菜が今日という日を迎えることができて

こんなに嬉しいことはないね◎

けんやと一菜の結婚式という今日
という日が無い、僕の人生なんて考えられないぐらいに嬉しいよ◎

二人とも大好きなんだけど、でもどちらかというと、ほんのすこーしだけ

一菜のほうが好きだから、今日は一菜に対しての乾杯の前の挨拶をちょっとだけさせて頂きます◎
僕と一菜は、青二才で一緒に働いたのはたった1年弱なんです◎

でも、一菜が青二才を卒業した後の方が長く、濃い時間が待っていました◎

自分が巣立ったこのお店を事あるごとに顔を出してくれ、現況を報告してくれ

時には飲みに来ていたのに忙しそうな店内を見て自らシフトに入り支えてくれたりと◎

一菜から青二才へとたくさんの愛情をもらい、それが僕らのモチベーションにもなったりしていました◎
でも、それよりも僕の中では〔一菜会〕という

毎月一度、阿佐ヶ谷の営業が終わった後に、二人で飲みに行こうぜ!

という仕事以外の時間、の方が印象強く残っています◎
この一菜会では、今月はお互いどうだった?
仕事で次は何を目指す、彼氏はできたか、気になっている奴はいないのか

などと仕事もプライベートも全部ひっくるめて話し、飲み
最終的に僕が泥酔し、翌日は一菜の記憶を頼りに掘り起こし作業に入る流れでした◎

毎月の毎度毎度で飲んでいるうちに

けんやと出会い、気になり始め、自分からモーションかけるように促し
実際に付き合いが始まり、二人暮らしが始まり、プロポーズを受け
入籍し、今日この日となりました◎
この一菜会、不思議な飲みで
最初は先ほど言ったように現況報告やくだらないことを話すのですが
毎回終盤戦は、互いに互いを褒めちぎって終わる、という会でした◎

というのも、このポイントが僕と一菜、強烈に似ていると思うのですが

僕ら二人は、圧倒的に自分というものに自信がない

のです◎
今でこそ、4月1日から青二才が株式会社になり

そこで代表取締役などという偉そうな肩書きをもらっておりますが

肩書きだけで僕は一切、そこから得られる自信というものは無いのが現状です◎
自分のやっていることより、やりたいことより

人がやっていることの方が正しいのではないか

自分の考えがいつも正しいとは一切思えないのです◎
一菜もそうで、だからそんな似たもの同士が飲み合えば

いつも自然と互いを褒めあうことで自分を支えているようなことになったのです◎

あ、ただ一つだけ互いに自信があることもありました◎

家族です◎

僕も一菜も家族というものだけは
自信に満ち溢れ、互いの家族自慢を褒めあって終わる

そんなときもしょっちゅうでした◎
自分の強い部分と弱くて不安な部分が似ている一菜を

褒め、一菜に褒めてもらうことでやっと自分のやっていることに

少しだけ自身が持てるように感じることができたのです◎
そんな一菜会は僕にとってとてもかけがえのない時間でした◎

なので、かけがえのない一菜にとって大事な日である今日

式の話を聞いたときに、生まれて初めて自ら

『乾杯は俺にやらせて!』と立候補してしまいました◎
一生に一度の大舞台である今日

大勢の人の前で一菜を褒めてやれる

一菜に大きな声で応援してやれるのは

他の誰でもなく僕しかいないと思ったからです◎
僕には数人、恩人と呼べる人がいるのですが

その中の一人、福岡の阿部ちゃん◎

奇しくも、けんやの苗字である阿部とまったく同じ阿部ちゃん◎

日本一周を神谷としているときに出会ったそのおじさんは

当時、人生に迷っている、自信が無かった僕に

僕の背景もそんなに詳しくは知らないような状態で
『道太、お前は大丈夫、なーんにも間違っとらんけん、お前は大丈夫』

と言ってくれたのです◎

人に面と向かって

間違ってない、大丈夫

とストレートに言われたことでどんなに心が軽くなったか◎

僕の中で、その一言がどんなに響いたか◎
大丈夫じゃない場合のことなんて一切イメージしていない
無責任な『大丈夫』ではあると思うのですが

心の底から素直に言葉を吐き出すことのできる
阿部ちゃんの『大丈夫』は今でも心の中にいます◎
一菜、今日この日まで、本当にいろんな選択をしてきたと思う◎

今日何を着ていく?晩御飯は何を食べよう?

学校へ行く?バイトする?

もしかしたら、愛するお父さんとお母さんのところに生まれるんだ!と
一番最初は選択したのかもしれないし、

でも、一菜のことだから
その選択が本当に正解だったのか

実は間違っていたんじゃないかと不安になることもあると思う◎

未だに後悔していることもあると思う◎
でもね、一菜
大丈夫◎なーんにも間違ってない

今までの選択は全部間違ってない◎

今日という日を迎えられた今

最初にも言ったとおり、僕は少なくとも

この日が無い人生なんて絶対に嫌だと思っているから◎

もし、何か別の選択をしたせいで今日が無いのであれば

それはその時点で僕には到底ベストではないから◎

今日このとき、この素敵な仲間たちとこうやってともに過ごし

これから最高の乾杯をする◎

一菜が選んできてくれた道が全部正解だったから今日のこの時間があるんだよ◎
きっと会場にいる人もみんなそう思っている◎

けんやも全部正解でここまでたどり着いた◎

けんやも素晴らしい人間だから、これからは今よりも減るだろうけれど

それでもきっと大きな悩みだったり、不安や失敗もあるでしょう◎

でもね、そんな時にはまた僕に無責任な大丈夫を言わせてください◎

一菜になら、いくらでも言ってあげるから◎

ほら、一菜、一菜は大丈夫だよ◎なんにも間違ってない◎全部大丈夫◎

改めて、けんや、一菜結婚本当におめでとう◎

阿部ちゃんの大丈夫を用いて
一菜に少しの安心を与えてあげよう

とだけ思っていたスピーチだったので

その後、本来の乾杯に向かう際にどんな流れで話したのかはあんまり覚えていない◎

みんなに向けた乾杯よりも

一菜に大丈夫と言ってやれたことで、あの日の僕の仕事は終わった気がしてしまったから◎
思い返す中野青二才PCの前から、

乾杯!!

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