恵那帰省日記 その3 ~人~
前回の話
悲しい現実を前に、自分の意志でもって受け入れることができる
高校生の時から変わった自分を再確認できた旅だった。
次の日、せっかくだからゆっくり田舎を楽しもうと、
地元のローカル線「明知鉄道」に嫁さんと一緒に乗った。
このローカル線、通称“明鉄(あけてつ)”に乗るのも高校生の時以来だ。
朝の9時過ぎの電車ならいないだろうと思ってたが、
なぜだか高校生がたくさんいた。
誤算だ・・・
誰もいないであろう車内を想像していた自分たちは
実家の冷蔵庫からビールを数本持って車内で飲むつもりだったのに・・・
終着の明知まで我慢か。いや、途中には高校もある。
それを期待してそれまではガマンだ。
そして、遂にその時はやってきた。
車内の高校生はある駅で全員降りた!!!
ここぞとばかりにプシュっとやっちゃう。
終着駅の明知に着いた自分たちは、何か目的があって来た訳じゃないから、
どうしようかと悩んでいた。
そんな時に目の前にあったのが野菜の販売所。
朝採れたての新鮮な野菜が全部100円という田舎価格を見つけた嫁さんは、
感動で目をキラキラさせながら、レタスと肉厚のスナップエンドウ二つ、おかひじきを購入。
締めて400円。
その販売所は気の良いおばちゃんばかり。
「東京なんていいから田舎に住みなさい」
「いやいや若い内はいろいろな刺激がないとダメ!東京いいじゃない!」
「この野菜はこう調理すると美味しいよ」
「安いんだからもう一つ買っていきなさい笑」
など気さくに話してくれる。
そのやり取りを見てるだけで、あぁいいなぁって思う。
そう感じるようになったのも時間の流れの中でいろいろなことを
経験してきたからなんだよなぁ。きっと。
ん?嫁さんがいない。
野菜を買って、トイレにいっている間に嫁さんが消えた。
が、きっと近くにいるだろうと、自分は帰りの切符を買っておいた。
数分後、近くのスーパーでアレを買って嫁さんが戻ってきた。
さすがですよ。まぁ予想と共に期待してたんですけどね笑
そんなこんなで帰りの電車に乗る。
プシュッとアゲイン。
終着の明知を出発して10分も経たないうちに
2人ともあることに気が付いた。
トイレに行きたい・・・
先生、もう一度Small BENがしたいです・・・
次第に溜まっていく二人の貯水タンク。
止むを得ず二人はある苦渋の決断をすることになる。
途中下車。
「ぶらり」じゃない確実に途中下車だ。
しかし、田舎のローカル線の途中下車はマズい。
本数が圧倒的に少ないからだ。
いやいや、ここは背に腹は変えられない。
降り立った駅は岩村駅。
弊社の雨神様こと神谷さんの最寄駅。
次の電車までと駅構内にあるお店に寄ってみた。
というか、親切にも「手荷物を預かりましょうか?」
と声を掛けてくれた女性がいたのだ。
その女性がやってるお店が駅構内にある食堂?みたいで、
決して大きくはないお店だった。
きっと、見ない顔だなと観光客と間違え、声を掛けてくれたのだろう。
今自分たちがここにいる経緯を話し、
東京から恵那に帰ってきたこと、
その女性の息子さんも東京にいることなど話が盛り上がり、
店内で一杯やるという流れになったのだ。
その女性は息子と歳が近かったのもあるのかもしれないけど、
一杯いただいたり、少し乾杯に付き合っていただいたり、
漬物を出してくれたり本当によくしてくれた。
ちょっとしか言葉を交わさなくても、偶然の出逢いかもしれないけど、
人との繋がりっていうもの、人と関わるということで湧いてくる
自分の中の温かい感情が刺激された時、“生きている”と感じる。
大袈裟かもしれないけど、人生を歩いている、時間が流れていることを実感する。
ありがとう!おばちゃん!!
恵那の街に帰った自分たちは、渡すものがあったので
社長の実家にも顔を出させてもらった。
社長の妹の陽子がいた。子どもがもう3人もいた。
大きくなったなぁ◎
その夜、お兄家族も呼んでしゃぶしゃぶをした。
1ヶ月早いけど誕生日を祝ってもらった。
嫁さんがコッソリとアルバムを作ってくれてたことに全く気付かなかったし、
本当に油断してた・・・
あなたたちの二番目の息子は今年で35歳になります笑
新しい出逢い、久し振りの再会、いろんな人とまた改めて繋がることができて
本当にいい旅になったよ。ありがとう
関わってくれた人たち。
そして、こんな時期でも2日も休みをくれた青二才のみんなありがとう。
また帰ろう。