いい年こいて初の一人海外

先月37歳になった◎

まだ到底何かを諦めているわけではないが

生まれてからの1年に比べ、30歳を超えてからの1年と言うものは

人生において、意識を集中させないといけないような出来事に出会う事は少なくなってきている◎

37年も生きていればそれなりにいろいろなものを経験してきた◎

ただ

新しい出会いや、感情こそ

人生の幹を太くするものだといつも思っている◎

そんな中

やはり重ねた齢の中で初めてのものと言うもの自体が少なくなってきている◎

恥ずかしながら、男37歳

今回一人で海外に行くのは初めてだった◎

元をただせば、1月のある日

スタッフが「いいから一旦、店のことは忘れて海外にでも行ってきてください。もっと社長には小椋道太らしくのびのびと遊んでて欲しいんです」と。

うすうす分かってはいたが、どうやらスタッフにそんな思いをさせるまで

ずっと日々の何かに追われていた。

昔あったはずの、青二才の原動力となる自由でやんちゃな発想などが

今ではどうやってあんな楽しいことばかりを考えていたのか、

と思うほどにいつからか考えられなくなっている自分が居た。

「もうね、ここの日程で強引に社長の休み取ったから」

と皆を代表するように神谷に言われた◎


海外に行く!?

実際僕には、それのどこが楽しいのだろう?なんて思ったりもした。

海外には今まで行ったこともあったし、会社の内情的にも

決算を間近に控えていたり、もろもろ取り掛からなかければならないことも山積みだ。

一人で海外に行くのと

会社の実務的な作業を天秤にかければ

どの経営者が見たって、今は実務を優先させる時期だ。

海外に行くと聞いても「やったー!!」などとテンションも上がらない人間が

仕事を放って、なぜ、スケジュールに穴をあける必要があるのか

個人的な思いが様々錯綜する中

半ば周りのみんなから強引に「行け!」と言われているような気がした

それぐらい駄目だったんだろう、僕。

「どこの国へ行きたい?」

神谷に言われたが、あるはずもない

さっきも書いたが海外に行くことに普段から魅力を感じていない僕は

どこへ行ったって同じだろうし、そもそもどこかの国にいる自分を想像だにしてこなかった

実際に、どこでも良かった

すると、その時たまたま居合わせた慎矢に神谷が

「ちょっとアジアの地図プリントアウトして」

「あ、そういうことっすか!?いいっすね!」と慎矢

そう、アレだ

ダーツの旅ってやつだ◎

慎矢はプリントアウトされた地図を分かってましたかのごとく壁に貼り

神谷は手際よく料理用の竹串を何本かまとめて矢を作り

僕に投げろと言う

数メートルのカウンターを挟み

紙全体に狙いを定め

パン!

第一投

紙の枠外だった◎

その後何回かやっても竹串で作ったダーツの矢はまっすぐ飛ばなかったり

的に当たっても刺さることなく落ちたりした

「そんな難しいわけがない」

と言った神谷に投手を交代したが

やっぱり神谷が何回投げても的に刺さることはなかった

「なんだ、けっこうムズイな・・」

神谷はきっと

こういうのは一発で決めるものだと思っていたと思う

僕ら二人が

あまりに刺さらないダーツに手をこまねいているのを

僕と神谷の高校の後輩でもある慎矢はニヤニヤ見ていた

(先輩たち、けっこう不器用っすね)

と言わんばかりに

「これ簡単そうに見えるけど、かなりムズイからやってみ!」

僕も神谷も10投ずつは投げているであろう矢をいよいよ慎矢に渡した

「へぇーそんなに難しいんですか!?なら自分も一投だけ・・・」

先輩を最大限に立てるような表情で投げた慎矢の第一投

パン!

竹串の矢が紙に刺さっていた

近寄り見た


ミャンマー!!!!??

えーっと、、、

何があるところなんだっけ??

アウンサンスーチーさん?

ビルマの竪琴???

それってなんだっけ??

っていうか、ミャンマーってここにあったんだ!

と言うわけでなぜだか
僕はミャンマーと言う、ほとんど知識のない場所へと
37歳にして初の一人海外旅行で行くことになった◎
「けっこう簡単でしたよ」
慎矢は先輩二人を弄るように自慢げな顔をしていた◎

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