いい年こいて初の一人海外(9)
さて、ミャンマー編◎
ミャンマーについて3日目の夜を迎えていた◎
が、僕は
初日しかホテルに泊まっていない◎
2,3日目は、交通費と時間、宿泊費の3大節約を同時進行していたからだ◎
でも、弊害がある
風呂に入れていない◎
バガンは砂地ゆえに体中がやはり砂っぽい◎
ポケットに手を突っ込むとジャリと感触があるし
寺院に入る時にサンダルを脱ぐのもあって
足の裏なんかは真っ黒だ
は、早く
シャワーを浴びたい◎
なんなら、この冷え切ったバスを出て、熱いシャワーを浴びたい◎
そう思っていた◎
夜にバガンを出て、ヤンゴンに再び向かう車中、僕はある方とメッセンジャーで
メッセージのやり取りをしていた◎
ゾウさん
ミャンマーに来て二日目、日本語シックになっていた僕は
唯一日本語を吐ける場所としてFacebookに
「日本語を話したい」と上げていた◎
それを見た、大学時代の友人が
「ミャンマーに、俺が前に世話になった人がいるから紹介するよ」
と3者メッセージで繋いでくれたのだ◎
ゾウさんは、日本にも長いこと住んでいて日本語がペラペラだとのこと◎
確かに、メッセージで自己紹介などから始まり、今バガンにいること
夜行バスでヤンゴンに早朝に着くことなどを僕が伝えると
漢字を織り交ぜたメッセージが帰ってくる◎
なんという安心感◎
得も言われぬ心強さを感じた◎
が、それ以上に驚いたことが
「もし、バスの時間がわかったら迎えに行きますよ!」と・・・
いやいや、このバス、早朝に着きまっせ、きっと
などと思いながらも、一応
「朝五時予定ですが、さすがにそれは早すぎですよね」
なんて返したら
「では、5時ごろにはバスターミナルで待ってます」
と◎
えぇ!!??
朝5時っすよ!!!
いくらミャンマーの人が早起きだからって
5時は早すぎでしょ!!申し訳ない!!!
と思ったのだけど、ゾウさんが来てくださるという事だったので
ついつい、ついついお言葉に甘えてしまい
バスの中で寝てしまった◎
朝4時半、高速らしきところをひた走るバスの中で起きた
するとほぼ同時に、ゾウさんからメッセージが
「バスを降りたところの近くにある売店街にいます」
と◎
バスより後に着いてはいけない、と思ってくださっていたみたいで
何と言っていいやら、会う前から本当に、感謝
バスを降りたら額を地面につけながらゾウさんを探そうかと思った◎
が
なんとバスはしっかりと予定時刻より遅れていた、、、、
Google先生によるとどうやっても到着は5時半になる模様だった
ゾウさんに「本当にごめんなさい、バスが遅れていて5時半ごろになってしまいそうです」
と
「大丈夫ですよ」
と帰ってきたときには、やはり額は地面だな、、と決心をした◎
僕の気持ちを知る由もなく
バスはゆったりとターミナルに到着し、扉を開けた◎
僕は自分の荷物を抱え誰よりも早くバスを出た◎
案の定どんどん近づいては声をかけてくる、タクシーや乗り合いバス、サイカーのおっちゃんたち◎
悪いが今日は、あなた方に世話になるわけにはいかない
それよりもいち早くゾウさんを見つけないと
とウロウロしていたら
「ドータサンですか」と◎
そこには背はそんなに高くないが
ガッチリとしたチョイ悪兄さんがいた◎
それがゾウさんだった◎
ゾウさんは、日本でも会社をやっていて
ミャンマーでもやっている実業家の人だった◎
ゾウさんの運転手さんが運転する車で
バスターミナルから市街地へ◎
「お腹空いてないですか?バガンはどうでした?ミャンマーの車の運転は荒いでしょう?」
などと言うようなテーマでたくさんたくさん車内で話した◎
タクシーだと40分ぐらいかかっていた道が
ゾウさんの運転手さんによる運転ではなんと20分ぐらいで到着した◎
ま、それぐらいとんでもないスピードでヤンゴンの街を駆け抜けていたんだけど◎
「朝ごはん行きましょう、何か食べたいもの無いですか?」
と言われ「うーん」と悩んでいたら
「モヒンガー食べに行きましょう」と◎
モヒンガー!
そうだ、まだバイブルに載っていた伝統食を食べてなかった◎
ゾウさんに案内され、運転手さんも一緒に朝からやっているお店へ◎
広い店内
多いスタッフ
多い、多い、めっちゃ多い!
ぱっと見だけで50人ぐらいのスタッフが朝の6時前から働いていた◎
「人、多いですね」とゾウさんに言うと
「田舎から都会に子供でも働きに出てきているんです、田舎に仕事があればいいけど
田舎はとにかく貧しくて、生きていくためには都会に出て働かないといけないんです」
と事情を話してくれた
よく見るとみんな小学生とか中学生ぐらいだったりするのだろうと思しき子たちもいた
学校教育などという、日本では当たり前の
なんなら子供のころは少しめんどくさいと思ってしまっていたこと
でさえも、まだまだなんだな、と知った
モヒンガーは美味しかった◎
昨日、ポッパ山麓で完全ローカルなきつめの食事をしていたのでもうなんでも美味しかった、が
それを差し引いても美味しかった◎
ほどなくして車に戻り
「ドータサン他にどこか行きたいところないですか?」
と
僕は少し考え
「シャワーを浴びたいです」
と贅沢を言ってしまった◎
「なら、少し早いですが、うちに行きましょう!」
ゾウさんはまた運転手さんに何かを告げ
車は町のさらに中心部へと向かっていった◎
「どうぞ」
と車が止まった場所は
初日に街をウロウロしていた時に見た
本当の中心部あたりだった◎
東京でいえば
新宿と渋谷と六本木が一緒になったようなエリア
そこのとあるビルに入って行き
エレベータに乗り、着くと
扉があり、入ると、周りの雑居感とは正反対の
綺麗なマンションの部屋があった◎
「ここの寝室を、ドータサン使ってください
シャワーはここです、トイレはここ、テレビは、冷蔵庫は、、、」
と一通り案内してくれたあとで
「私はこれから昼まで仕事ですので、どうぞ好きに使ってください、冷蔵庫のものもなんでも飲んでください」
と・・・
そして家の鍵を僕に預けてくれた◎
ゾウさんと出会ってまだ2時間経っていないのに・・
こんなにも信用してもらえると、信用でしか返せないな、とふと思った◎
阿佐ヶ谷のお店をやっていてつくづく思う◎
人に信用してもらいたいのならば、まずはこちらから身を預けてみること
あなたのことは一つも疑っていないですよ、と心の底から言ってみること◎
そうすると、みんな裏切れない、という性善説◎
それを目の当たりにしたのだ、ミャンマーで◎
ま、そんな妄想よりも
それ以上にやはり、ゾウさんの器の大きさを感じた◎