突然だが
実は俺は料理が好きだ。
お店をよく知っている人なら
鼻で笑うかもしれないが、本当は料理が好きだ。
これまで、
青森土産のせんべい汁を説明書とおりに作ったにも関わらず
出来上がりが写真とは別物のオバケ汁になったり、
しゃしゃり出て作ったゆで卵を焦がしたり、
その他数々の過去の戦犯により
もはや今では自分の店なのに厨房出入り禁止をくらっている。
その為
青二才というお店の中は
CHEZ神谷の腕を存分に発揮できる
環境ではなくなってしまいました。
この
俺=食材の無駄使い
という方程式が出来あがった今、
そのステージは必然的に自宅のみ。
でもいいんです。
もともと誰かの為に作るという料理は
その人の期待に応えなければいけない、
その人の期待を越えなければいけない、
そんな使命感も含まれていて、
その使命感が、俺を不自由にさせて、実力以下の仕事しかできなかったんだろうと思います。
実際彼女にカレーを作ろうと思い立ち
結果美味しいものが出来たとは思うのですが、
カレー約4人前に対し
食材費、4600円
所要時間 実に4時間半
その使命感たるや、高いし長い!
お金と時間で言えば
ポップコーンとビール買って、映画2本まるまる映画館で観て、おつりがくる。。。
こうまで書いて
“料理が好き”と言うのは、
自分のために作る料理が好きということだ。
もちろん喜んでくれる人の為なら、ひとの為にも喜んで作るけどね。
ただ、大多数のひとに敬遠されているだけ。
少々火が通ってなくても、実際不味くても、
ぬるくても、甘くても、辛くても、
もはや、スタートした時に決めたゴールを、けっか逸脱しすぎている物が出来たとしても、
自分で作ったものだ、文句があるはずがない。
そして今日も
出勤前の昼時、
“料理”をした。
いつも料理をする時はそこそこのボリュームで音楽をかける。
ノリの良いのがいいね!やっぱり料理のスピードにハリがでるしね!
今日の冷蔵庫の残り具合から考慮して、
今日のメニューは
ラタトゥイユ風野菜炒め風ピリ辛中華風レタスチャンプルーに決定した。
具材を気の向くままに切り、
火加減を気の向くままに調整して、
炒める順番は手前にあった野菜から適当に。
長年の勘で調味料を適当にブチ込み、
蓋はしてもしなくてもいいけど今日は若干してみる。
炒めて出てきた水分は、もしかしたら取った方が見た目的にカッコいいかもしれないから
キッチンペーパーで吸い取ってみて、
この辺で無駄かもしれないけど火を強めにしてみる。
油を忘れていたので、どっかで見たことある風に鍋肌から一回しして、
味見をシェフ風にキメてみる。
うん、順調に終盤だ。
ピリ辛と決めたのに辛みを入れるのを忘れてた為、
さっき油を入れたのは忘れた事にして、
気を取り直してラー油を豪快に投入。
良い感じ。
ここで塩コショウで最終の味の調整。
あ、たまご忘れてた。
強引にチャンプルーにする為、
タマゴを投入するが、片手で割って入れる方がカッコいい。
どうせなら片手余ってるし
胡椒もペッパーミルで同時にふる。
その方がデキるシェフ風だろ?
と。
こうなった。
なんで!?
ペッパーミルの先が外れ、
中のまだ出番待ちの潰れてないやつが
どっさり入った。。
卵の殻も入った。
卵の殻はほとんど取ったが、
バージンの状態のペッパーは相当数入り込んだ。
まあ、言ってもまだ潰れてない胡椒玉は
そんなに味出ないはず!!
そのまま皿に盛り付け、
自家栽培のバジルを摘んで掌でたたき香りを発たせ
皿にいろどりを加える。
思い通りにバジルの緑が色合いを引き立てた。
紆余曲折を経て、完成だ。
出来た今日の一品は
思いのほか胡椒が効いていて、
というか、
噛めば噛むほど
胡椒の味しかせず、
たまに卵の殻が胡椒玉と同じくらいの歯ごたえでパリパリと奥歯にささる。
今日のゴールは
“いろいろ野菜風 粒コショウ”
になった。
ここまでくると
自分に文句が言いたい。