おいフミハル!
僕には父方母方含めてイトコが何人かいる◎
えーっと、うちの兄妹を含めずに10人か◎
上はもう40代半ば
一番下がうちの妹の嘉子、か◎
みんなそれぞれ結婚して、子供がいたり、いなかったり◎
それぞれの場所で、それぞれ暮らしている◎
そう、ただ一人を除いては◎
フミハル
母方のいとこに僕と同い年のいとこが二人いて
幼いころ、お盆などで祖父の家に行くといつも三人一緒に仲良く遊んでいた◎
そのうちの一人がフミハルだ◎
阿佐ヶ谷に青二才ができたころたまたま
歩いて15分ぐらいのところに住んでいた彼はチョクチョク来てくれるようになり
うちの常連さんとも仲良くし、いろんなところに顔を出すようになった◎
元来世話焼きが大好きな彼は
やれ結婚式だとなれば徹底してカメラマンになり
やれイベントだとなれば黒子、裏方の仕事を自然に探してしまうような男だ◎
サッカーでボールのないところで地道なプレーを続けるタイプね◎
ま、いいやつなんだけど
結果、結婚とかとは遠いところにいる◎
(リア充の皆様の中唯一独自の雰囲気を醸し出すフミハル)
(あえて目線をカメラから外し、写真的に何かを狙うフミハル)
そんな彼も、東京での仕事をひと段落させ
今は祖母と親の住む岐阜県の田舎に暮らしている◎
ま、そんな彼が久しぶりに東京に出てきていた◎
というのも、気が付いたら阿佐ヶ谷の青二才にいた◎
ふと、見ると他のお客様に混ざって
飲んでいた◎
周りの人も、とても自然すぎて気づかないほど◎
来るなら来るって言えよー
と言いたくなったが、来ると言われたところで
何か特別なことをするかと言われれば
うーん、、と考えてしまうので
きっと彼が正解だったのだろう◎
田舎にいれば周りの親戚や身内ご近所の方からはおそらく
「ふみ君、結婚はまだなの・・?」とたくさん聞かれてきただろうと思う◎
そしてきっと、そろそろ、周りの人も何かを悟り
きっとそろそろ聞かなくなってきたころであろうと思う◎
が、そんなことではいかん◎
周りに気を使いすぎているからいつも誰かに
ケツを叩かれないと、動き出せないタイプなんだ◎
だから、僕はいつでも言う
「フミ!結婚相手は!?彼女は!?!?」と
ちょっと厳しいくらいが一番いいと思っている◎
そのたびに「うーん、まだだな」なんて悠長なことを言う◎
結局、阿佐ヶ谷に来たその日
すでに飲んできていたのもあり、うちでも飲み
泥酔した◎
ソファーで座りながら寝ていた◎
営業が終わり、僕がその同じソファーの逆側の部分で作業を始めても寝ていた◎
僕も案の定、寝てしまった◎
3人掛けのソファーの端っこ同士で
いとこ同士が寝合う模様は今思えばなんだか変な気もする◎
起きたらもう神保町のランチに行かねばならない時間になっていた・・
寄り添うこともなく、両端で静かに寝ていた◎
良かった◎
「おいフミ!俺もう仕事行くから起きろー!」
「うーん、、、了解」と言いながら起き上がり
なぜか靴を脱いで店内を素足で一周したのち
ソファーに戻ってきて、元の位置にまだ座っていた僕に
あろうことか膝枕をしてきた・・・
ヒザマクラ・・・
こいつまだ酔ってる・・
「おいフミハル!そんなんやからいつまでたっても彼女できんのやぞ!」